情報の種類:現代社会の理論
最近のマイブームは、脳科学や認知科学なのですが、いまひとつ良く解らない・・・とにかく参考にしている内容が難しすぎるような気がしていますが。
ひょんなきっかけで、認知科学の類の書籍として、「現代社会の理論―情報化・消費化社会の現在と未来」見田宗介著(岩波新書:1996年10月)を見つけました。実は、参考文献としてリストされていたものですが、とにかく内容は難しいですね。理系出身の私には、「どうして、社会学と心理学といった学問は、参考書が難しいのかな~」なんて感じているのですが。
それでも、一機に読み進めていくことが出来る内容がありました。第一章では、大量生産方式が崩壊した時の記述があります。
それよりも以前(1927年)の段階の資本主義の、機能化し、規格化し、画一化する大量生産方式の極限というべき、フォード・システムの結晶である「T型フォード」車が、GM の新しい自動車販売/生産戦略、デザインと広告とクレジットを柱とする、ソフトなより包括的な戦略、「消費者の感情と動機と欲望に敏感な」システムの前に敗退し、生産の停止にまで追い込まれたのが、この1927年であった。(本文 p.21)
上記の「T型フォード」に関する失敗の分析は、いろいろあるようですが、こうした資本主義の観点からの分析は面白いですね。
更に、情報に関する記述の部分は気になりました。本書では、情報を以下のように記述しています。
情報は基本的に3つの種類、あるいは作用(機能)をもつ。第一に認識情報(認知情報。知識としての情報)、第二に行動情報(指令情報。プログラムとしての情報)、第三に美としての情報(充足情報。歓びとしての情報)。(本文 p.152)
情報自体を、ここまで過大解釈して良いものかどうかは別に議論するとして、本文では本当に明確に定義しています。ちょっと違う視点として情報を観察しているので参考になりました。
上記の書籍の著者である見田宗介氏は、昨年「社会学入門―人間と社会の未来」(岩波新書:2006年4月)を出版しているようです。評判も良いようですからこの機会に読破してみようかな、と考えています。
以下は、参考になりそうな投稿記事です。
- 「KUSHAMI雑記::見田社会学から「途上国問題」を考える 1」
- 「KUSHAMI雑記::見田社会学から「途上国問題」を考える 2」
- 「KUSHAMI雑記::見田社会学から「途上国問題」を考える 3」
- 「The king has donkey ears!::あたらしい資本主義」
上記の投稿記事は、本当に良く書かれていますので、是非とも熟考したいですね!