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「2007年10月」のアーカイブ

高齢とともに記憶力が衰える、はウソ!:記憶力を強くする

記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方スポーツ、勉強、仕事など全てに重要なことは、記憶であることは、これまで何度も投稿記事にしました。また、記憶力を高める方法もいくつかの新書で紹介されていることも公開してきました。

脳科学の観点から、既に記憶というものは、科学的に立証されだしているんですね。もっと早く知っていれば良かった!「個人的には、年齢もかさんでいるし、既に記憶力なんて私には無縁かも・・・忘れっぽくなってきたし・・・」と、半分は諦めムードだったのですが。

ところがです!「歳をとってきたからといって記憶力が低下する、といったことは脳科学の観点からはありえない」と説明している新書を発見!衝撃的な内容です。記憶の種類は年齢とともに変化するが、記憶力そのものが低下することは無い、ということを科学的に検証しています。

新書、池谷裕二著「記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方」(ブルーバックス:2001年1月)が、そうした内容を解説しています。ブルーバックスという種類の新書で、理系に私にはとてもなじみやすいシリーズですが、「科学的に」といった理論的な展開が嫌いな方には難しいかもしれません。

実際に、この新書には、脳科学に関して、記憶を科学的に解説している章もあり、理解するのが大変な章がありました。それでも、これまでの脳科学に関する文献よりも、私にとっては、より説得力がありました。

特に以下のような解説は、科学的に「年齢とともに記憶力が低下する」を否定していてとても興味深い!

  • 海馬は「記憶」を頼りにあれこれと考察するときに使われ、そしてまた、使われることによって海馬が鍛えられ膨らみ、記憶力が増大するという仕組みだったのです。この発見によって、鍛えさえすれば記憶力は上昇するけれども、鍛えなければ記憶力は増強しない・・・(p.30)
  • 若い頃よりも歳をとったほうが記憶の容量が大きくなるということを意味しています。それなのに人は「歳のせいで覚が悪い」と嘆きます。この嘆きはたいへんな間違い・・・(p.187)
  • いつまでも同じような勉強方法を繰りかえしていると、自分の記憶力に限界を感じるようになるのです。また、そういう人に限って、「もう若い頃のようには覚えられない」と記憶力の低下を嘆くのです。もちろん、それは、本当に記憶力が落ちたわけではなく、記憶の種類が変わったにすぎません。(p.190)

更に、上記に加えて、「脳科学の観点から、天才は存在しない!」とといていることにも感銘しました。「天才」は、研究分野や勉強の世界だけに限らず、スポーツの世界でも「天才」は存在しないと科学的な根拠をベースに論じています。

年齢を言い訳にするのではなく、もうちょっと脳科学を知って、更なる精進が必要だな、と思い知らされた新書でした・・・

記憶力を高め、記憶をより簡単に引き出すために

スポーツに限らず、勉強や仕事とありとあらゆる事象に対して、「イメージ記憶」といわれる記憶が重要であることは、本ブログの投稿記事である「スポーツ上達のキーであるイメージ記憶とは!?」で公開しました。

さて、こうした「イメージ記憶」を高めることができれば、理屈上はスポーツ等の能力を向上させることができる!ではどうやって・・・という問いが出てくるのが当然ですね。これまでも幾度も登場している新書、林成之著「勝負脳の鍛え方」 (講談社現代新書:2006年10月)には、以下のことを何度もよく見て覚えること。そして実行することによって記憶力は高まるとしています。

  1. 海馬回(かいばかい):学習する・覚える
  2. 扁桃核(へんとうかく):感動する
  3. 視床下部(ししょうかぶ):意欲を高める
  4. 側坐核(そくざかく):好きになる
  5. 尾状核(びじょうかく):感情を込める
  6. 嗅結節(きゅうけつせつ):香りを嗅ぐ
  7. 前頭連合野(ぜんとうれんごうや):良く考える

上記の 7 つは、本ブログの「「意識」「心」「記憶」を調整するモジュレータ神経群」でも触れていますので興味のある方は参照して下さい。

さて、上記の 7 つは、人間の心を生み出すとしていて、記憶と心が連動しているのですから、心を高めれば、記憶も向上するということになる、ということを根拠にしています。どんなに優れたコーチからテニスを習っても、ゴルフを教えてもらっても、教えられている本人が、そのコーチを好きでなければいけないし、教えられたことに対して感動しなければ記憶に残らない・・・私個人も経験的にも納得できる内容です。

記憶は、上記の方法で高めることができますが、実際にはそうして蓄えられた記憶を引き出す必要があります。当然ですが、何度も何度も同じ事を繰り返し実行することで実践に繋げる方法はありますが、もっと効果的に記憶を引き出す方法はないか。

上記の新書では、以下の 7 つの方法を推奨しています。

  1. 人の話はできるだけ興味を持って。感動して聞くようにする。
  2. 覚える内容にも興味を持ち、好きになるようにする。
  3. 長時間の学習はできるだけ避け、時間を限定して集中して覚える。
  4. 覚える内容を、自分の得意なものと関連づける。
  5. 声に出して覚える。
  6. 覚える内容について、自分で独自に考え、勉強する。
  7. 覚えたものは、その日のうちに一度、目を閉じて声に出してみる。

上記 7 つを実行することによって、「イメージ記憶」を引き出し易くなるとしています。どうでしょう。スポーツに限らず、勉強においては、「好きな先生が担当する好きな教科」は成績も良かったのでは無いでしょうか!?

次女のテニス!まずは担当コーチを好きになること、そして教えてもらうことに感動すること、短時間で集中してやること、更に受けたレッスン内容は、その日のうちに声を出して復習すること・・・これだけでも上達の速度は向上するのではないでしょうか・・・

スポーツ上達のキーであるイメージ記憶とは!?

新書、林成之著「勝負脳の鍛え方」 (講談社現代新書:2006年10月)において、人の運動が上達するか否かは、ある記憶の仕組みが大きく関係しているとしています。

その記憶というのが、「イメージ記憶」という記憶らしい。上記の新書によれば、「イメージ記憶」とは以下の通りです。

(イメージ記憶とは)物事をありのまま記憶するのではなく、その物事についてのイメージを自分の頭の中でつくりあげ、それを記憶することいいます。じつは人間の記憶はすべて、このイメージ記憶よっておこなわれています。(p.29)

具体的を例にとって、時速 150km 近いスピードで投げ込まれるピッチャーのボールをバッターが打てるのは、このイメージ記憶があるからで、実際にはボールを認識してから「打つ」と考えてスウィングしていては、時間的に間に合わないことで説明されています。更に後半では以下のように追記されています。

イメージ記憶はあらゆるスポーツにおいて重要です。いい選手になりたければ、このイメージ記憶の能力を鍛えれば確実に上達します。(p.33)

どんなスポーツにおいても、反復練習が重要なことは誰でも認めるところでしょう。何千回、何万回と繰り返し練習することで、大事な大会や試合で実践できる。練習していないことは、当然ですが試合で出すことはできません。即ち、反復練習をすることは、このイメージ記憶を頼って、体に覚えさせていた、ということがいえるのでは無いでしょうか。

こうやって考えると、スポーツ選手として、どうやってこの「イメージ記憶」を向上させるかが非常に重要なことである、と認識できるでしょう。単純に苦しい!?練習を繰り返していても、あまり効果は無さそうです。できるだけ短時間で、できるだけ簡単にスポーツで上達できないか・・・この問に少しでも近付くためには、イメージ記憶をどうやって鍛えるのか、ということが非常に興味深いことになってきますよね!

上記の新書、実はこの最も重要な「イメージ記憶」の鍛え方に関しても触れていますので、投稿記事を改めてそれを検討したいと思います。

JBL(日本バスケットボールリーグ)は始まったけど・・・問題山積!

遂に Japan Basketball League (JBL) が始まりました。そうです、日本バスケットボールリーグです!バスケットボールをやっていた方ですら知らない方がいますが(興味がない!?)、今年から始まったまったく新しいリーグなんです。

(JBL 日本バスケットボールリーグという)この男子のリーグは、元々プロ化を目指してバスケットボール協会が進めていたものですが、有力チームの反対もあってプロ・アマ混在のままスタートすることになったそうなんです!

上記からもお解かり頂けますように、JBL は男子のみ!女子に関しては、WJBL といってまったく別のリーグが組織されています。更に・・・

プロバスケットボールには、独立して「bi リーグ」というのも存在しています。こちらは、完全なプロリーグ。現在、10 チームで構成されていますが、ここに登録されている選手は、バスケットボール協会に登録していませんから、なんと日本代表になる道は無いのです。

こうしてみると日本のバスケットボールは、分立して進化していて、日本代表といっても本来の代表の形とは違っているわけです。

昨年の世界選手権での 13 億円超の赤字に関しては、本ブログでも「バスケ男子世界選手権、赤字 13 億円超・・・」として公開しましたし、期待された北京オリンピック出場でしたが、ふたを開ければアジア選手権での惨敗。詳細は、本ブログの投稿記事、「やっぱりオリンピックならず!男子バスケットボール」でもご紹介しました。

今最も必要なことは、日本のバスケットボールが一致団結して、本気で世界にどうやって挑むかを考える必要がある。そうしなければ、日本のバスケットボールは衰退の一途を辿ることになってしまうでしょう。では具体的にどうやって・・・ここからは、私の独断と偏見ですが。

まずは、「bi リーグ」を日本バスケットボール配下に組織します。何も JBL と一色にする必要ないと思います。「JBL」と「bi リーグ」をプロバスケットリーグとして位置付け、レギュラーシーズンとその後にプレーオフを開催し、最終的には日本シリーズのような「JBL」の優勝チームと「bj リーグ」の優勝チームを戦わせるような形式をとれば、バスケットボール人気も回復するのではないでしょうか。

「bi リーグ」が日本バスケットボール協会に所属することによって、「bj リーグ」登録選手にも日本代表選手となるチャンスがでてきますから、お互いのリーグで切磋琢磨することができるようになると思うのですが。こうした組織的な問題をまずは改革しなければなりません。

更に、日本チームとしては、「高さ」を追及するのではなく、「速さ」を追求し、マン・ツー・マンからゾーンへ変更する必要があるのでは無いでしょうか。身体能力において、欧米に勝つためには、マン・ツー・マンでは限界があります。それに比べて、ゾーンディフェンスであれば、速攻へと転じるための体力を少しでも温存することができるはずです。以前、日本女子バスケットボールが「忍者ディフェンス」という変幻自在のゾーンディフェンスで世界選手権 3 位といった実績が、日本人の器用さと速さを生かしたスタイルのバスケットボールのヒントになっているはずだと信じているのですが。

こうした改革を実施することで、まだまだ日本バスケットボールには、復活のチャンスがあると思うのですが・・・私のような小さな力が何とかどこかに届いてくれないかな~なんて考えながら JBL を観戦している・・・

上記に関連して、アジア選手権が始まる前に NHK が興味深い投稿記事を公開しています。「解説委員室ブログ:NHKブログ::バスケットボール界の行方」というのがそれ。こちらも是非、興味のある方は一読されることをお勧めします。

「意識」「心」「記憶」を調整するモジュレータ神経群

林成之氏によれば、「意識」には「外意識」と「内意識」の 2 種類ある、と解説しています。概要は、投稿記事「勝負脳:2 つの意識、「外意識」と「内意識」」としても公開しています。これらの意識と密接な関係があるのが、ドーパミン系神経としています。

林成之著「勝負脳の鍛え方」 (講談社現代新書:2006年10月)において、以下のように記述されています。

ドーパミン系神経は、意識(内意識)によってもたらされる刺激や情報によって、何かを思ったり感じたりするという働きをしている。人間の「心」と呼ばれるものは、このとき発生しているのであり、具体的には、脳の中の海馬回をはじめとするドーパミン系神経群[*1]が「心」の生まれる場所なのだ。(p.24)

上記の記述の中に出てきた「海馬回」は、一昔前ちょっとした流行のように語られていた言葉ですが、私はまったく興味がなく、知識がありませんのでちょっとここで覚書を示しておきましょう。

脳の中でドーパミン神経伝達物質を多く使うものには、記憶を司る海馬回(かいばかい)と、喜怒哀楽の中枢である扁桃核(へんとうかく)があります。(p.21)

上記から、海馬回とは記憶を司っている!「意識」、「心」、「記憶」は、海馬回でつながっていて、それぞれが連動しながら機能している、としています。海馬回をはじめとするドーパミン系神経群には、こうした三者を調整する機能を果たす神経群が存在し、それをモジュレータ神経群と呼ぶことにする、としています。モジュレータ神経群の存在は、林成之氏が独自に「モジュレータ理論」と名付けて世に出している、ということです。

強い心を手に入れるためには、意識や記憶を無視することはできないし、記憶を増強したければ、心や意識を無視することができない、ということに結論付けられます。こうしたことは、脳科学を勉強する以前には、皆目見当もつかないことでした。

記憶は、人間の脳が持っているさまざまな知能の根本となるものです。人間は記憶をもとにものを考え、判断し、表現しています。その記憶が心と連動しているといことは、とりもなおさず、人間の知能が心と連動しているということになります。(p.26)

ここまで表現すると、人間が物事に優れた実力を発揮するためには、意識、心、そして記憶を強化する必要がありそうだということになりませんか。少なくとも私個人としては、この内容は衝撃的でした・・・

私は、スポーツの世界で言われている「心・技・体」だけでは、限界があるという自論を持っていますので、上記から「心・技・体・知」として知能を加えたいと考えます。実は、更に進化させて、「心・技・体・知・流」の 5 つにしたいと考えていますが、このことは後日に譲りたいと思います。

脚注 [*1]
モジュレータ神経群は、即ちドーパミン神経群になるのですが、以下の 7 つを指しています。

  1. 海馬回(かいばかい)
  2. 扁桃核(へんとうかく)
  3. 視床下部(ししょうかぶ)
  4. 側坐核(そくざかく)
  5. 尾状核(びじょうかく)
  6. 嗅結節(きゅうけつせつ)
  7. 前頭連合野(ぜんとうれんごうや)

これらの神経群は、ドーパミン A10 神経群とも呼ばれているそうですが、わざわざモジュレータ神経群と定義する意味がぼやけてしまいましたが、まずは上記の神経群を記憶することが重要なようです。詳細に関しては、後日、記述するとしましょう。

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