ミスの法則
先日、投稿記事として「羽生善治氏曰く、「テニスと将棋はとっても似ている!」」を公開しましたが、羽生氏の考えにもうちょっと触れておこうと思います。
先日も紹介した新書、羽生善治著「決断力」(角川oneテーマ21:2005年7月)に面白い一節があります。
将棋では、勝ったケースのほとんどは相手のミスによる勝ちである。本当のことだ。拾い勝ちという感じなのだ。テニスなども、自分の強烈なショットがダウン・ザ・ラインに決まって勝つというより、相手のミスによって「救われた!」というゲーム展開が多いのではないか。(p.98)
正にその通り!といった感触でした。将棋もテニスもミスが勝敗に大きく関与している。しかし、羽生氏のミスに関しての次の文面は、更に納得のいくものでした。
ミスには面白い法則がある。たとえば、最初に相手がミスをする。そして次に自分がミスをする。ミスとミスで帳消しになると思いがちだが、あとからしたミスのほうが罪が重い。そのときのミスは、相手のミスを足した分も加わって大きくなるのだ。つまり、マイナスの度数が高いのだ。だから、序盤から少しずつ利を重ねてきても、たった一手の終盤のミスで、ガラガラと崩れ去る・・・・・(p.99)
こうした法則を知っているのと知らないのとで試合をするのでは、大きくそのやり方に変化が生じるような気がしました。序盤からちょっとしたミスを恐れず、攻める試合展開を実践して、終盤にできるだけミスをしないようにしていく。そうした展開が重要でしょう。守りに入ることは、良いことではありませんから、終盤に入っても攻める必要がありますが、最後まで集中して試合を運ぶことができるようになれば、随分と展開が変わるはずです。
将棋の世界に限らず、テニスやその他のスポーツでも同じ事がいえるでしょう。
関連投稿記事
上記の投稿記事で引用している羽生善治著「決断力」(角川oneテーマ21:2005年7月)に関して、以下の投稿記事も参照して頂ければ幸いです。