茂木健一郎氏、すべては脳からはじまる!
現在、脳科学の世界で最も知名度が高いのが、茂木健一郎氏ではないでしょうか。私は、これまでに茂木氏の著書を読んだことがないので、マイブームが脳科学といっても何となく何かが掛けているようで・・・
そこで、書店で目につた茂木健一郎著「すべては脳からはじまる」(中公新書ラクレ:2006年12月)を衝動買い。どうやら週刊誌である「読売ウィークリー」に連載されていた記事をまとめた内容のようです。
気楽に読めるし、茂木氏特有の解り易い言い回しは、とにかくすらすらと読んでいく事ができるし、難しい表現もまったくなく「流石だな~」と感心させられるのですが・・・
ただ、私個人としては、こうした短編の寄せ集めはどうも好きではない!まったく視点の違う(といっても脳科学という視点では一致しているのでしょうけど・・・)内容が次から次へと展開される。もうちょっと詳細が知りたいな、それで次はどうなっているの、といった個人的な興味は全て短くまとめられてしまっていて、まったく違った内容の章が登場するのですから私としては、ちょっとしたストレスです。
特に、スポーツに関連した章も結構沢山あって、興味のある内容ですが、全てが中途半端な気がしてしまいます。もうちょっと長めの文面にしてくれれば違った見方ができたのに。
そうした中、とにかく素晴らしい一文が・・・
自分でも、他人でも、やれるかどうか不安なときは、とりあえずは脳の適応力のほうに賭けてみる。それが、脳を研究する中で培われてきた私の「流儀」である。(p.94)
人は、新しい事を始める時に、誰もが反対するようなことでも、どんな困難でも、何とか乗り越えてきました。それには、ルールを策定したり、失敗したり。それでも意外と簡単に乗り越えてしまったりするのが人間。即ち、それだけ「脳」というものは適応力があって、更に未知なる可能性を引き出してくれる、というのが茂木氏の主張です。
こうした茂木氏の主張を「そりゃ、理想論だな」と笑い飛ばすか、「なるほど!脳の未知なる可能性に賭けてみよう」と思うかで、人生も変わってくる!??