脳は快楽を好む!
新書、林成之著「勝負脳の鍛え方」 (講談社現代新書:2006年10月)は、本ブログの内容を大きく変化させてしまったばかりではなく、私個人の中に、大きなウェーブを巻き起こしてくれました。こんな面白い世界、即ち「脳科学」という世界があるなんて!もっと早くに知っていれば、もうちょっと違った人生になっていたかもしれませんが。
その「勝負脳」でもポジティブな考え方が効果的であると記されていますが、最近完読した茂木健一郎著「すべては脳からはじまる」(中公新書ラクレ:2006年12月)でも同じ内容の記述があります。
「脳にとっての「最大の報酬」」というタイトルで以下の様に示されています。
脳は快楽主義者である。何か行動を起こして、その結果、脳の中で報酬(うれしいこと)を表す物質であるドーパミンが放出されると、その行動が強化される。(p.73 ~ 74)
赤ちゃんがお腹が空いて泣くとミルクをもらえるということになれば、「お腹かが空けば泣く」という行動が強化されるし、学校で宿題をやってきたことを誉められると、「もっと勉強しよう」という行動にでる。即ち、誉められることによって、行動を強化することができるというのです。
更に、以下のような一節があります。
他人の行動を変えようと思ったら、「ほめる」のが一番である。認められることは、社会的動物である人間の脳にとって最大の報酬の一つだからである。子どもはほめて育てよ、とよく言うが、脳の仕組みから見ても理に適っている。(p.75)
また、上記の記述に続けて次のように説明されています。
自分のある行動を強化しようと思ったら、その行動の直後にうれしいことがあるように心がければよい。必ずしも世間的な成功や他人からの賞賛を得る必要なない。いわゆる自己満足でもよいのである。(p.75)
科学的には、ドーパミンという物質が重要な役割をしているようですが、脳科学の世界では、こうした「ほめる」という態度が非常に重要だということが、共通の認識のようです。厳しく躾ける、というのも必要だとは思いますが、やはりそうした中にも「ほめる」ことを入れ込むことが重要ですね!