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「2007年11月11日」のアーカイブ

運動を覚える記憶のメカニズム

面白いウェブページを発見しました。「RIKEN BSI NEWS No.31」というページですが、そこに運動を覚える記憶に関する簡単な記述がありました。

脳の最も重要な役割のひとつである「記憶」。記憶の種類は、「事柄を覚える記憶」と「技(運動)を覚える記憶」の大きく二つに分けられる。

「事柄を覚える記憶」は、大脳や海馬のシナプスが長期間、信号を通りやすくする「長期増強 (LTP[*1])」によって実現するのに対し、「技を覚える記憶」は小脳のシナプスが信号を通りにくくする「長期抑圧 (LTD[*2])」によって行われる。

確かに、これまで読了した脳科学に関する新書、文庫本では大脳を扱っていて、小脳に関しての記述はあまりありませんでした。ちなみに LTP は、池谷裕二氏が発見し、LTD はやはり日本の伊藤正男氏が発見したそうですから、今まで知識から日本の「脳科学」の研究が世界でも最先端をいっている、ということができるのでしょうか。

さて、上記のページでは、「“技の記憶”がどのようなメカニズムで形成されて、それがどう蓄えられ、どう使われるかというのは、脳研究の中でも非常に重要な大切なテーマ」だそうで、世界中で多くの研究者が同じ研究をしる、と説明されています。

また、運動の記憶に関しては以下の 2 つの記憶をリストしています。

  • 数時間程度の練習で生じる「短期運動学習」の記憶
  • 数日間レベルの練習で生じる「長期運動学習」の記憶

記憶と学習に関しては、常に脳科学の文献では語られていますから、もう少々詳細な勉強が必要なんでしょうね・・・

脚注:[*1]:LTP: Long-Term Potentiation
脚注:[*2]:LTD: Long-Term Depression

小脳をウィキペディアで調べてみると、上記に関連した以下のような説明かありました。

  • 前庭小脳:身体平衡と眼球運動を調節する。
  • 脊髄小脳:体幹と四肢の運動を制御する。
  • 大脳小脳:運動の計画と感覚情報の評価を行う。

大脳と共に、小脳に関しても勉強したくなってくる!

ゆめみる脳科学:脳も知らない未来へ!

面白いサイトがあるんですね!「10th BSI::理化学研究所 脳科学総合研究センター」がそれ。難しそうな名前ですが、サイトは結構簡単に表現されているし、親しみ易いサイト構成になっています。ちなみに、本家のウェブサイト、「理化学研究所 脳科学総合研究センター」は別のウェブサイトを公開しています。

理化学研究所 脳科学総合研究センター (Brain Science Institute (BSI)) は、本年、創立 10 周年を迎えます。米国が「脳の 10 年」を宣言し、脳研究がその科学的・経済的・社会的意義の大きさから世界的に加速する中、BSI は、わが国の脳研究戦略の中核として 1997 年 10 月に設立されました。脳という内なる宇宙を科学するため、医科学、生物学、物理学、工学、情報科学、心理学など 500 名を超える様々な分野の研究者・技術者が集結し、ミクロな脳の分子機構にはじまり、神経細胞とその回路、認知・記憶・学習の仕組み、さらに言語の獲得、脳とロボットなど、理論と実験を交えながら幅広く研究を重ねてきました。その脳科学の歴史を変える数々の研究成果や人材育成などの貢献により、BSI は世界的な信頼を獲得しています。

あまり積極的には更新はされていないようですが、ちょっと注目したいな、と思わせる内容が盛り込まれていますよ。