運動を覚える記憶のメカニズム
面白いウェブページを発見しました。「RIKEN BSI NEWS No.31」というページですが、そこに運動を覚える記憶に関する簡単な記述がありました。
脳の最も重要な役割のひとつである「記憶」。記憶の種類は、「事柄を覚える記憶」と「技(運動)を覚える記憶」の大きく二つに分けられる。
「事柄を覚える記憶」は、大脳や海馬のシナプスが長期間、信号を通りやすくする「長期増強 (LTP[*1])」によって実現するのに対し、「技を覚える記憶」は小脳のシナプスが信号を通りにくくする「長期抑圧 (LTD[*2])」によって行われる。
確かに、これまで読了した脳科学に関する新書、文庫本では大脳を扱っていて、小脳に関しての記述はあまりありませんでした。ちなみに LTP は、池谷裕二氏が発見し、LTD はやはり日本の伊藤正男氏が発見したそうですから、今まで知識から日本の「脳科学」の研究が世界でも最先端をいっている、ということができるのでしょうか。
さて、上記のページでは、「“技の記憶”がどのようなメカニズムで形成されて、それがどう蓄えられ、どう使われるかというのは、脳研究の中でも非常に重要な大切なテーマ」だそうで、世界中で多くの研究者が同じ研究をしる、と説明されています。
また、運動の記憶に関しては以下の 2 つの記憶をリストしています。
- 数時間程度の練習で生じる「短期運動学習」の記憶
- 数日間レベルの練習で生じる「長期運動学習」の記憶
記憶と学習に関しては、常に脳科学の文献では語られていますから、もう少々詳細な勉強が必要なんでしょうね・・・
脚注:[*1]:LTP: Long-Term Potentiation
脚注:[*2]:LTD: Long-Term Depression
小脳をウィキペディアで調べてみると、上記に関連した以下のような説明かありました。
- 前庭小脳:身体平衡と眼球運動を調節する。
- 脊髄小脳:体幹と四肢の運動を制御する。
- 大脳小脳:運動の計画と感覚情報の評価を行う。
大脳と共に、小脳に関しても勉強したくなってくる!