人間であるための証:前頭葉
新書、築山節著「フリーズする脳―思考が止まる、言葉に詰まる」(生活人新書:2005年11月)は、解り易い記述で、具体的な事例を取り上げて解説しているので、その展開にどんどん引き込まれてしまう感覚が、結構心地良い。
そうした中、これまでにも幾度となく触れている「脳」に関する投稿記事ですが、読み返してみると、概念的な内容をご紹介してはいるのですが、意外と肝心なことに触れていないような・・・そんな気がしたので、ここではちょっと詳細!?に。
いろいろな動物ににも「脳」はあるのですが、「人間の脳」の特徴は、前頭葉という部分の発達が特徴的だそうです。
「理解する」「考えをまとめる」「相手の思考や感情を読む」「感情を抑える」、またそれらを総合して「自分の行動を決める」「それを意欲的・計画的に行う」というのが、いわゆる高次脳機能の働きであり、その中枢を担っているのは「前頭葉」と呼ばれている領域です。(p.28)
上記から、前頭葉とは、「思考・感情のコントロール」を任されている、ということができそうです。脳全体の表面積の約 40% が前頭葉だそうです。人間の額の部分が前頭葉の中心、横から見れば目より上で耳の線より前のあたりに位置しているそうです。
前頭葉には、運動野、前運動野、前頭葉眼球運動領、運動性言語野、前頭連合野という五つの領域があります。(p.28)
ちょっと専門的になってきて・・・難しくなってきましたが、一度は理解しておく必要がありそうですね。
視覚野や聴覚野など感覚野から入力された情報は、頭頂葉、側頭葉、後頭葉を介して前頭葉に集められます。前頭葉はその情報を処理する。より具体的に言えば、選択・判断・系列化という過程を通して、記憶、思考、感情のコントロールに大きな影響を与えます。(p.30)
「脳」を単純に部位によって勉強していくのはナンセンスでしょうけど、こうした部位ごとの機能を理解していて損は無いでしょう。ちなみに、上記に記述されている頭頂葉、側頭葉、後頭葉はそれぞれ以下の通り。
- 頭頂葉:空間認知、感情情報のコントロール
- 側頭葉:記憶の保持、聴覚情報の処理
- 後頭葉:視覚情報の処理
これまで、「海馬」に関して何度か記述していますが、前頭葉は初めてですね。まだまだ、続く私のマイブーム、「脳科学」ですが・・・
おひさしぶりのひかげです。
サイトを訪れた瞬間に、「脳内メーカー」と思ってしまいました。
「葉」という字が多いのですが、
脳の構造と葉っぱの構造って似ているんですかね?
ひかげさん、コメント有難うございます。そして、ご無沙汰しています。
私は、机上の脳科学ですから、詳細はまったく解りませ~ん!実は、私も「葉」が多いな~とは感じていて、英語から訳したからかな、何て考えて調べてはみたのですが、関係が無さそうです。謎なんですよね、「葉」が多いのって・・・
思いつきだけど、葉の字が多いのは、脳の皺が
葉っぱの葉脈みたいに見えるからではないだろうか…?
なるほど・・・そういう見方もありますね!
Cheさんの脳についてのブログを読んでいて、気が付いたことが…
それは、6年前、義母が交通事故で頭蓋骨骨折、脳挫傷のけが、そして、大手術…。
今は元気に動いていますが、1つだけ失った物があります。臭覚。臭いが解らなくなりました。でも、味は解るのです。
半身不随になってもおかしくない事故だったので、これだけですんで良かったです。
私は単純に鼻が詰まったりすると味も解らなくなるのに…臭いが解らなくても味は解るのか~?
と思っていましたが、脳について解ってくると味と臭いは別の脳が働いているという事が解りました。
人間の体って不思議ですね。
実は、脳科学の多くの分野は、事故やいろいろな脳に関する病気の患者さんから得られた情報だそうです。そういう意味では、我々はそうした患者さんに本当に感謝しなければいけませんよね!
papiyonさんのように、身近にそうした経験の方がいらっしゃると更に説得力があるんでしょうね~