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「2007年11月」のアーカイブ

新書に拘る 7 つの理由

日本の思想 (岩波新書)本ブログでは、新書のご紹介が多いのですが・・・というより新書のご紹介しかないのですが、一時、新書ブームとまで言われましたが、最近ではそのブームが去った感があります。ただ、それでも私は新書に拘っています。

私が新書に初めて出合ったのは、高校 1 年生の時!丸山真男著「日本の思想」(岩波新書:1961年11月)でした。国語の教師が、高校生としては、格好の内容という理由で、2 学期の全授業をこの新書の解釈に時間を割いたのが初めてでした。理系だった私には、まったく理解することができずに、試行錯誤していた記憶が今でもはっきりと残っています。

それ以来、新書は良く購入して読んでいるのですが、最近では以前にも増して新書を購入しています。理由は以下の 7 つ!

  • 新書のサイズが自分にとって都合が良いから。
  • ページ数が手頃だから。
  • 価格が手頃であるから。
  • 紙質がよくて、余白が多いから。
  • 小さな書店でも購入可能だから。
  • 学問的な内容の選択肢が多いから。
  • 捨てる決意が簡単だから。

新書を読む時間は、コンサルタントという仕事柄、とにかく移動している時間が長く、1 日の電車(実際は電車に限りませんが・・・)で移動している時間が、実際のミーティングに参加している時間よりも長いことが良くあるのですが、そうした電車の中で、背広の胸ポケットにすっぽりと入るサイズは本当に都合がよい。文庫本では、深い背広の胸ポケットにはちょっと小さ過ぎるし。ほとんどの新書が 300 ページ以下というページ数もそうした環境下では、完読するにはとっても都合がいいわけです。ラッシュ時に、たったまま取り出す書籍としては、新書は胸ポケットに入るからさっと取り出すことができるし。

どうなんでしょう・・・私だけが誤解しているのかもしれませんが、あれだけ小さなサイズであるにも拘らず、意外とメモを書き留めるには充分な余白があると思うのですが。読んだ文面から、重要な部分に線を引いて、更に思いついた事柄をちょっとメモを取りたいことが良くあるので、そうした要求にも見事に答えてくれる。万年筆で、乱雑にメモを書き込んでも、裏写りすることがなく、とっても心地良い。

ふらっとはいるコンビニや小さな書店、更には駅の売店にも売れ筋の新書が並んでいて、ふっと思い立って購入できるのはありがたいことです。

私の勘違いかもしれませんが、新書の場合、新しい学問や領域を勉強するためには、価格的に非常に安価ですが、その種類、選択肢は、無限大に近い!ちょっと興味があるから、といった気軽な理由で購入することができるわけです。

更に、そうした新しい分野を勉強はしてみるものの、「やっぱり必要が無いな」とか「飽きたな」といったときに、直ぐに捨てる決意ができます。実際には、購入した新書を廃棄することはありませんが、購入した新書に関して、読むことをやめてしまう新書は結構多い。

これからも新書に拘ってご紹介していきたいのですが、ちょと寄り道して、勝手に新書に拘る理由をまとめてみました・・・

劣勢の時こそポジティンブシンキング

新書、茂木健一郎著「すべては脳からはじまる」(中公新書ラクレ:2006年12月)に限らず、脳科学の世界では、悪い方向に考えれば、全てが悪いようになるというのが、共通の認識のようです。

茂木氏は、以下のように記述しています。

人間というのは弱いもので、負けが込むと、どうしても気持ちが暗くなり、この先ますます悪くなるのではないかと思い込んでしまう。前頭葉の特定の部分の活性が落ちると、気分が落ち込み、鬱状態(うつじょうたい)になることが知られている。(中略)敗戦で、当然のことながら、そのような脳の神経回路の反応が起こり、暗い気持ちになってしまうのである。(p.219)

上記と同様の記述は、これまで読破したいずれの脳科学に関する新書にも記述の仕方は違えど示されています。如何に、ネガティンブな考え方が良くないかを示しているといえるでしょう。

しかし、脳というものは、そうした逆境でも「ばね」のような力を持っているそうで、以下のように示されています。

その一方で、脳には逆境でも自らを奮い立たせる「ばね」のような力も備わっている。人生は順風満帆のときばかりとは限らない。調子が悪いときにこそ、脳の情動系(補足:喜怒哀楽の感情のこと)や前頭葉を中心とする「自らを奮い立たせる回路」の真価が問われるのである。

脳というものは、面白いもので、どんな理由であれ、自信を持ち、前向きに行動するような活動が生まれると、ちゃんとそれに伴ったさまざまなプロセスが派生する。ポジティブな考え方を持つに至った理由が何であれ、その効用は同じことである。(p.219)

ここぞという場面で、「できる人」というのは、スポーツであれ仕事であれ、意外と一気に劣勢を挽回することができるのは、こうした「脳の特性」をふんだんに利用しているのでしょう。「根拠の無い自信」は、脳を活性化するのに一役かっているのでしょうね!

試合の前から、「もしかしたら負けるかも・・・」と考えた瞬間に、既に脳の中ではネガティンブに働き始める。それよりも、根拠がなくても、「今日は勝ている」とか「今日は良いゲームにする」といった自信を持つことが必要なのでしょう。

PowerPoint のテンプレート

本ブログで、以前に「SlideShare が面白い!」という投稿記事を公開しました。「SlideShare」というサイトでは、PowerPoint の他、OpenOffice や PDF ファイル等もアップロードすることによって、スライドショーを展開することできるようです。

私の場合、圧倒的に PowerPoint のファイルが多いので、他のファイルをアップロードする計画はありませんが、スライドを公開するのであれば、もうちょっとオリジナルな PowerPoint のテンプレートを利用したいな~と考えるようになりました。

しかし、自分で作成するのも大変だし、無料で配布していないかな、と探してみると、なんと Microsoft 社のウェブサイトに大量のテンプレートが!しかも無料で利用することができる!下記サイトがそれ。

「Microsoft ::パワーポイントのテンプレート一覧」

更に、テンプレートに関しては、「Be Cool Users::PowerPoint テンプレート GET 術」がとても参考になります。この「Be Cool Users」というウェブサイト、PowerPoint だけではなく、Word や Excel に関してもテンプレートに関する記述があるし、その他、いろいろと詳細が説明されていますから、とっても参考になりました!

現在、PowerPoint を利用しての提案書が日本では一般的になっていますから、是非ともマスターしておきたいアプリケーションですよね。

脳は快楽を好む!

すべては脳からはじまる (中公新書ラクレ)新書、林成之著「勝負脳の鍛え方」 (講談社現代新書:2006年10月)は、本ブログの内容を大きく変化させてしまったばかりではなく、私個人の中に、大きなウェーブを巻き起こしてくれました。こんな面白い世界、即ち「脳科学」という世界があるなんて!もっと早くに知っていれば、もうちょっと違った人生になっていたかもしれませんが。

その「勝負脳」でもポジティブな考え方が効果的であると記されていますが、最近完読した茂木健一郎著「すべては脳からはじまる」(中公新書ラクレ:2006年12月)でも同じ内容の記述があります。

「脳にとっての「最大の報酬」」というタイトルで以下の様に示されています。

脳は快楽主義者である。何か行動を起こして、その結果、脳の中で報酬(うれしいこと)を表す物質であるドーパミンが放出されると、その行動が強化される。(p.73 ~ 74)

赤ちゃんがお腹が空いて泣くとミルクをもらえるということになれば、「お腹かが空けば泣く」という行動が強化されるし、学校で宿題をやってきたことを誉められると、「もっと勉強しよう」という行動にでる。即ち、誉められることによって、行動を強化することができるというのです。

更に、以下のような一節があります。

他人の行動を変えようと思ったら、「ほめる」のが一番である。認められることは、社会的動物である人間の脳にとって最大の報酬の一つだからである。子どもはほめて育てよ、とよく言うが、脳の仕組みから見ても理に適っている。(p.75)

また、上記の記述に続けて次のように説明されています。

自分のある行動を強化しようと思ったら、その行動の直後にうれしいことがあるように心がければよい。必ずしも世間的な成功や他人からの賞賛を得る必要なない。いわゆる自己満足でもよいのである。(p.75)

科学的には、ドーパミンという物質が重要な役割をしているようですが、脳科学の世界では、こうした「ほめる」という態度が非常に重要だということが、共通の認識のようです。厳しく躾ける、というのも必要だとは思いますが、やはりそうした中にも「ほめる」ことを入れ込むことが重要ですね!

試合に勝つ「技」を磨くための 7 つの習慣

衝撃的な出会いだった新書、林成之著「勝負脳の鍛え方」 (講談社現代新書:2006年10月)は、内容的にもっと理解を深めたくて、その後いろいろと脳科学に関連した新書を読みあさっています。

そうしたインパクトを与えてくれた林成之氏の主張の中に、運動神経を良くするための 7 つの方法を記述している一節があります。即ち、試合に勝つ「技」を磨くための習慣を記述しています。

  1. 性格を明るくして常に前向きの思考をする。
  2. 常にやる気をもって行動する。
  3. 何事も気持ちを込めておこなう(運動するときだけでは駄目です)。
  4. 何に対しても勉強し、楽しむ気持ちを持つ。
  5. 感動と悔しさは生きているからこその宝物と考え、大切にする。
  6. 集中力を高める。
  7. 決断と実行を早くする。

上記を実行することによって、運動神経か発達する、即ち、運動の達人なれるということです。林氏は、運動神経とは、空間認知知能と深く関わっていて、運動神経を向上させるためには、空間認知知能を発達させる必要があると論じています。

空間認知知能とは、表現知能の一つで、言語知能、理論知能、計算知能、音感知能、運動知能と同列で扱われる知能で、それぞれを関連させて向上させることで発達していくという理論が脳科学の世界では常識のようです。上記のような 7 つの習慣を日常の生活の中で心掛ける。それによって運動神経も向上する。

ちょっと信じられないような話ですが、「スポーツ選手は歌が上手い」、「スポーツ選手は計算が速い」、「スポーツ選手はおしゃべり上手」等の噂話を嫌というほど聞いてきた私にはとにかく説得力があるわけです。

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