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「2008年01月」のアーカイブ

木人花鳥(もくじんかちょう):形稽古の重要性

私の身体は頭がいい (文春文庫 う 19-2)文庫本、内田樹著「私の身体は頭がいい」(文春文庫:2007年9月)は、基本は武道に関しての記述だと思いますが、あまりにもスポーツに共通の事項が多く、またとても興味深い内容が随所に記述されています。

木人花鳥、「もくじんかちょう」と読むそうですが、木人とは、木で作った人形のことで、今風に言うとロボットだそうで、木人花鳥とは、「心をもたないロボットのように花や鳥を見ろ (同書:p.151)」という意味らしい。

その昔、武道の究極の姿は、「勝ち負け」より「生きるか死ぬか」の戦いだった。そうした戦いで、あまりの恐怖心や不安感で身体能力に影響がでて、「死」に至ってはいけない。そこで、「心」と「体」を切り離して、戦いに臨むことができれば、無駄な死を迎えなくて良い。

即ち、緊張や不安などのために、本来の運動能力を損なわないように、「心」と「体」を切り離す練習が必要、ということらしいのです。「心」無くして「体」が動く・・・これが、武道の本来の姿らしいのです。

そして、その練習の一つが、「形稽古」だといっています。空手や柔道でも「形稽古」ってありますよね!実は、バスケットボールや他のボールゲームでも似たような練習があります。それは、フォーメーションの練習。

形稽古は、「心理的には反応せず」しかし「身体的には反応する」という木人的な動きを身体に刷り込んでゆくために工夫された身体訓練法である。(中略)形稽古の目的は、心理的負荷をゼロにしておいて、身体的な反応速度の縮減だけに 100% 集中すること。(p.156 -157)

上記のような「形稽古」の記述の後に、フォーメーションのことも記述されています。個人で自由にプレーするよりも、組織的に(チームで)決められたフォーメーションで動いたほうが、返ってランダムな動き、即ち相手の意表をつく動きとなる、としています。

私のバスケットボールの経験からも、苦労して攻めている対戦相手に対して、自分達にとっては、ごく当たり前のフォーメーションが意図も簡単に決まりだし、あっという間に大差をつけることができたという経験が。

それにしてもフォーメーションの練習は退屈で、更には面白くなかった記憶があります。何百回、何万回も同じ事を繰り返すのですから・・・「自由にやらせてよ」と良く考えたものです。

「形稽古」の主目的を理解していたら、もうちょっと理解も速かったのでしょうけど・・・「形稽古」や「フォーメーション」の意義をきちっと理解させる、または理解することが重要かもしれませんね!

ハンドボールはメジャー化できるか!?

異例のやり直しとなったハンドボール北京五輪の男女予選。残念ながら女子、男子共に日本の力及ばず、韓国の勝利という結果でした。アウェイという状況の中で、僅差といわれても勝利をおさめた韓国チームに拍手を送りたいと思います。

「毎日jp::ハンドボール:観客1万余…両チームサポーターも「活躍」」に以下のように示されています。

中東諸国に有利な判定を下す「中東の笛」で不本意な試合を続けた両国の共通する願いは、フェアプレーの実現だった。試合後、両国選手は固く握手を交わした。

これで、「中東の笛」が無く開催されたこのハンドボール予選は、いろいろな意味で意義がある第 2 次的効果をもたらしそうな気配を感じさせます。日本男子のキャプテン中川善雄選手は、ハンドボールをメジャー化することに夢を掛けているそうです。「毎日jp::ハンドボール:中川主将、メジャー化に挑戦…二つの夢追う」には以下のような記述があります。

1 万人を超えたスタンドは青い T シャツ姿が目立った。中川選手が競技普及を目的に設立した NPO 法人「シュータススポーツラボラトリ」(埼玉県越谷市)が作製した。北京への道が一度は絶たれた昨年 9 月のアジア予選(愛知県豊田市)の悔いを次につなげるために「忘れない」と記した。共感の輪は広がり、2000 枚以上が売れた。「この熱気が、ハンドボールがマイナーから脱するきっかけになれば」と中川選手。20年ぶりの五輪出場権獲得は持ち越しになったが、競技普及というもう一つの夢は広がった。

さて、個人的には、ハンドボールがメジャー化するためには、大きく 2 つの課題があるように感じました。

1 つめはルールの複雑さ。小学生や中学生でも体育の時間で経験しているバスケットボールでさえ、ルールが難しい、と単純な観戦を敬遠する方々が多いのですが、ハンドボールは、バスケットボールよりも複雑に感じました。特に、反則の種類が解らない・・・バスケットボールの場合、対戦相手を掴んだり、抱きついたり、勿論叩いたりしたら反則ですが、ハンドボールは、そうでもないらしい!2 分間の退場というペナルティーもあるわけですから、明確にルールの説明をして、解説して頂かないと、人気は一過性で終わってしまう。

もう一つは戦略の立て方。時間の経過は、タイマーが止まったり、まったく止まらなかったり・・・時間は、戦略には関係ないのでしょうか。ルールと関係しているのかもしれませんが、戦略の立て方は、知っておきたいですね。単なる派手なプレーなのか、それとも戦略なのか。ディフェンスは、ゾーンもあればマンツーマンもありそうな気配ですが、ちっとも解りませんでした・・・

メジャー化するためには、最低でも上記の 2 点が明確にならないと、ハンドボールの面白さが伝わらないと思いますが・・・話題先行の気配から是非ともメジャーに成長して欲しいものですね!

内田樹氏、私の身体は頭がいい:ミラーニューロン

私の身体は頭がいい (文春文庫 う 19-2)以前本ブログで公開した投稿記事、「新運動理論」でリストした文庫である内田樹著「私の身体は頭がいい」(文春文庫:2007年9月)を書店で見つけたので購入。読了までは、もう少々時間が掛りそうですが・・・なぜなら、何度か主張してきましたが、私は短編の寄せ集めの本は苦手なので、この文庫もそうした短編の寄せ集めでしたので。

最近!?「大学入試「現代文頻出著者」ランキング!?」第 2 位の内田樹氏の執筆ということで、かなり期待していました。そして、その理論武装は流石だな、と感じた文庫でした。

この本、序盤で「武道とミラーニューロン」と題した短編があって、脳科学の観点からの内容が掲載されていました。これには、ちょっと感動!

ミラーニューロンの働き
「何か」が動くのを見ていると、見ている人間の脳の中では必ずその動作にかかわる神経細胞が活性化する。(p.23)

このミラーニューロンによって何がどのように素晴らしいのかが解らなかったが・・・ただ、全ての学問的な見地から武道を分析されていることは、ひしひしと感じられる文庫本です。

個人競技プロの資金調達の方法

石川遼選手が、16 歳でプロ宣言。ヨネックスと用具契約で 5 年間で 6 億円、更にパナソニックと専属契約で 5 億円と男子プロゴルファーとしては、破格のスポンサー契約となりました。

ゴルフやテニスといった個人競技のプロ選手は、資金調達が難しいといわれていますが、どんな資金調達方法があるのでしょうか。こうした疑問を解決してくれるウェブページがあります。

「スポーツ法研究::プロスポーツ選手の資金調達手段」がそれですが、特にスポンサーに関する記述は、とても興味深いです。

1. 用具契約
選手は、練習、試合、インタビューなどにおいて、スポンサーの提供する用具を使用する義務やスポンサーの開催するイベント・コマーシャルに出演する義務を負い、他方、スポンサーは一定期間、一定数の用具を無償で提供し、選手の知名度やマスコミ露出度などに応じて、契約金を支払う。

2. 専属契約
専属契約とは、選手は、新聞・雑誌・ランキングの表示やウェア着用の際に、専属契約を締結した会社の名前を表示する義務を負い、当該企業は定額のスポンサー料を支払うことを内容とする契約を意味する。

3. パッチ契約
用具を提供するわけでもなく、専属契約を結ぶわけではないが、選手が大会に出場する際に、スポンサー企業のロゴマーク(ワッペン)をつける義務を負い、スポンサー企業は定額のスポンサー料を支払う義務を負う契約をパッチ契約という。専属契約同様、スポンサー企業は選手がテレビに映ったり、沢山の観衆の前でプレーすることを通じ、自社のロゴマークを宣伝することが可能となる。専属契約のスポンサーも選手にロゴマークをつけることを要求することがある。

4. 雇用契約
厳密にはプロスポーツ選手の資金調達手段とは言えないが、将来における雇用の安定を図り、企業の社員として働くいわゆる実業団選手もいる。

5. その他の契約
マリア・シャラポワ選手は高級腕時計メーカーのタグホイヤー社とスポンサー契約を締結している。

なるほど、これで石川遼選手の用具契約と専属契約の違いが明確に理解できますね!

IMG Japan が存在するんですね!

昨年、テニス界の期待の若手、錦織圭選手がプロ転向を宣言しました。本ブログでも以下の投稿記事で錦織選手のことは記述しています。

この時に、話題になった!?のが「IMG」というプロスポーツ選手たちのマネージメントエージェントでした。この「IMG」という会社、マリア・シャラポワやタイガー・ウッズといった超一流アスリートと契約しているのは有名ですが、何と「IMG Japan」という日本法人があるんですね!まったく知らなかった・・・

「IMG Japan」のウェブページには、以下のような謳い文句があります。

トップアスリートのマネージメントカンパニーとして、スポーツマーケティングの世界をリードしてきたIMG。長年にわたりグローバルに培われてきたビジネススキルを生かして、お客様の様々なマーケティング課題に最適のソリューションをご提供いたします。

ビジネスとしては、とてもニッチな世界での活動になりますが、一度に扱う金額が大きいと思われますから、それなりにビックビジネスなんでしょう。

ちょっと、驚いたのは、先日ご紹介した投稿記事「プロバスケットボールプレーヤの年収」で引用した「週刊東洋経済(2008年1月26日号)::スポーツビジネス完全解明」に掲載されていた「IMG」に関する記事!

主旨は、「IMG」は、日本市場を考えて、チームスポーツよりも、個人競技を中心に注目選手と契約することを第一目標としているということ。日本の場合、チーム競技は、日本企業と密接な関係が有り、チーム選手と契約するのが困難である、という内容の記述。なるほどな~と感心すると共に、何と!

フィギュアスケートの安藤美姫選手や浅田真央選手とも契約している!また、フィギュアスケートに関しては、放映権やイベントの開催も IMG が引き受けているらしい。

ちょっとビックリ・・・ただ、日本のプロ選手は、諸外国に比べて、恵まれないケースが多いようですから、IMG のようなビジネスが必要なのかもしれませんね!

【関連記事】
本ブログで、「スポーツエージェントとは・・・」を公開しています。

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