経済小説に手を出した!楡周平(にれしゅうへい)氏の小説・・・
成毛眞氏の「本は10冊同時に読め!」を読了したことは、本ブログの投稿記事「成毛眞氏の「超並列」読書術」でも公開しました。
「10 冊を同時に読む」ことよりも、所謂自分の知識のための「教養書」以外の小説も面白そうだな、と感化され「自分にとっての面白い小説って何?」と自問自答ながら、インターネットを徘徊すると経済小説というカテゴリーあるのを発見しました・・・
その発見をきっかけに、本ブログの投稿記事「経済小説というカテゴリーがある!」にも記載した楡周平著「新装版・Cの福音」(宝島社文庫:2005年4月)を購入、早速読み始めました。
初版は、単行本として 1996 年に出版されているだけに、内容はちょっと古臭い感じもします。インターネットを駆使する場面の記載もあるのですが、「ネットは電話で接続したモデム」でプロバイダーが「ニフティーサーブ」・・・更に面白いのが使っているコンピュータが 「NEC PC98」です!
小説ですから、そうしたインターネット事情が詳細に表現されているので、何やら懐かしい感じがするし、前述したように古臭い感じもします。私のような著者と同年代の「おじさん」には理解できますが、若い人達には、こうしたネット事情の記述は戸惑うかもしれませんね!
主人公の朝倉恭介は、「知性と絶対的な指導力、財力、知力、そして恐怖の力」を持つ者に惹かれ、それこそ「悪」のビジネスに染まっていきます。ストーリーとしては、アメリカ、日本と展開されるので、そのスケールの大きさというよりは、在米経験がある私にはなじみの風景が展開されるので、それこそ懐かしい。
20 歳代で高級マンションに住み、高級外車を所有することに対して、「日本の世間では「若いのに贅沢な・・・何やら疑わしいビジネスをしているのではないか」と疑問を抱くはずだが・・・」と表現しておいて以下のような表現でそうした内容を一新します。
いったん外資系企業の名前がでるや、途端に何の疑問も抱かなくなる。そこには、日本人が外資系企業に抱く幻想 - 年功序列のない世界、年俸制で能力次第では日本の常識からは考えも及ばない高給が得られる - があった・・・
最近では、外資系企業の多くが「現地基準」といって、各国の給与基準を採用している、と聞いていますからアメリカのような本当の意味での「能力主義、成果主義」は存在していない場合が多いのですが、それを「幻想」と表現しているのも、経験無くしては表現できませんよね。
流石は経済小説!上記一つをとっても身近なストーリー展開で、ちょっとした暇つぶしとしてとっても有意義な感じがして、自己満足の世界を満喫できますね。
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