小説から学ぶ「白馬の騎士」と「マネジメント・バイアウト」
以前、ホリエモンこと堀江貴文氏率いるライブドアが、ニッポン放送を買収しようとして問題になった時、SBI ホールディングス株式会社の北尾吉孝氏が彗星のごとく登場し、マスコミや週刊誌等で、北尾氏を「白馬の騎士、現る!」と報じていた記憶がある方も多いのではないでしょうか。
先日読了した牛島信著「株主総会」(幻冬舎文庫:1999年4月)には、正にこの「白馬の騎士」に関して、若手弁護士の会話が登場します。
ライブドアのニッポン放送買収が確か 2005 年でしたから、本書が出版された 1999 年頃では無縁のことだったのではないでしょうか。
ホワイト・ナイトは訳して白馬の騎士。つまり、敵対的な買収をかけられた会社の依頼で、現経営陣と協力してその敵対的な買収を阻むために、自分が乗り出して友好的買収をする立場の会社のことです。邪悪な怪物に襲われる寸前のお姫様のところに白馬にまたがった王子様が駆けつける、というあれですよ。(p.162)
更に、上記の会話は、別の敵対的買収に対する他の方法に関しても続きます。
マネジメント・バイアウトというのは、経営陣が自分の会社の資産を担保に金を作って自分の会社の株を買い上げることです。
昔は、「敵対的買収」なんてことは、海外での特別事情と思われていましたが、いよいよ日本でも身近な出来事になった瞬間でしたよね、ライブドアの問題は。
こうした現実の出来事が小説になる!ビジネスの世界に興味が無い方には、「株主総会」という小説は、とっても退屈な小説かもしれませんが、私のようなビジネスの世界で生きている輩にとっては、とても興味深い内容のはずですが・・・
こうしたことは、小説の中だけで充分と感じながらも身が引き締まる感覚でしたが、小説でこうして一つでも二つでも何かを吸収できると、とっても有意義だった感覚になるのは、きっと私だけでは無いはず!?