スポーツと言語技術
普段は、めったなことで購入することが無い雑誌「月刊 フォーブス日本版」ですが、先日ちょっと気になる表紙タイトルがあったので、思わず「月刊 フォーブス日本版」(2008年5月号)を購入しました。実は、そのタイトルは「ナイキが追いかける「アスリートの心」」だったのですが、この注目したカバーストーリーそのものは、「ふ~ん、そうなんだ~」程度の感想で、あまりインパクトが無かった・・・
それよりも、「新時代のフロントランナー」としての田嶋幸三氏(日本サッカー協会専務理事)の話が、とっても私にとっては興味津々。
タイトルは、「真の「エリート教育」で日本のサッカーを世界基準に」というもの。記事の内容は、勿論サッカーが中心ですが、日本のスポーツ全域にも同じような提言ができる、と感じています。
詳細は、雑誌を購入して読んで頂きたいと思いますが、田嶋幸三著「「言語技術」が日本のサッカーを変える」(光文社新書:2007年11月)といった新書も出版されていますから、雑誌では物足りないという方にはお勧めかもしれません。
雑誌では、田嶋氏は、「真のエリートとは、肉体面と精神面のバランスがとれた、成熟した人間のこと」と提唱していて、日本では、この「エリート」という言葉が誤解されていると解いています。田嶋氏は、世界に通用するサッカー人を「エリート教育」を通して育成したいということで、「JFA アカデミー福島」の校長先生です。
「なぜパスをしたのか、なぜシュートを打ったのか。狙いを言葉ではっきりと表現できるか。練習でボールに触れる 1 回 1 回に、狙いを持って思考錯誤してみること。意思を明確化し、表現すること。お互いに意志を明確に伝え合う関係を構築することが、けっきょく「強いサッカー」を作る礎になるからです」と、「言語技術」導入の狙いを田嶋氏は悟る。
上記に伴って、「言語技術とは、複雑な状況を素早く把握して言葉で表現したり、それを論理的に展開したりする力」としていますから、上記のような内容は、決してサッカーだけでは無いですよね。
こうした「言語技術」が必要である、といった信念は、田嶋氏がドイツ留学した時の経験から来ていると解説されています。
ヨーロッパの一流選手は頭を使う。サッカーの技術や肉体訓練だけでなく、礼儀、責任感、身だしなみ、言葉遣い、しぐさといった、人間としての基礎訓練が徹底されていました。日本にもそうした帝王学ともいうべき教育が絶対に必要だと痛感したんです。
こうしたことは、何もサッカーに限りません。スポーツ全般で、日本人が世界で一流になるための必要最低限のスキルなのでしょう。
全てのアスリートに、上記のような内容は確認して欲しいものですね!