内田樹氏入門!?「疲れすぎて眠れぬ夜のために」
内田樹氏の書籍としては、5 冊目になる内田樹著「疲れすぎて眠れぬ夜のために」(角川文庫:2007年9月)を読了しました。
この文庫、内田樹氏を知りたいとか、著書を読んでみたいといった方には、超お勧めだと感じました!文庫本という手軽さもありますが、それよりも、これまでに出版されている書籍の内容の多くを網羅しているし、内容がいろいろと豊富で、その言い回しや思想を簡単に知ることができるような気がします。
この文庫の内容や話の展開に疲れてしまう方は、他の内田氏の本も読了するのが難しいかもしれません。
本の内容はというと、以下の 5 つの章立てになっています。
- 心耳を澄ます
- 働くことに疲れたら
- 身体の感覚を蘇らせる
- 「らしく」生きる
- 家族を愛するとは
本の「終わりに」に示されていますが、この本は「無理はいけないよ」「我慢しちゃいけないよ」ということを主張しているそうです。なかなかそうしたメッセージは伝わってはこないのですが、全ての章が内容が解りやすく、それでいて的を得ていて!
やっぱり、内田氏の本は面白い!ただ、ビジネスを語ると、途端に説得力に欠ける感じがするのは、なぜでしょう!?ビジネスに活かそうと考えて、内田氏に興味があるわけではありませんから、あまり気にはしていませんが。
さて、本書の中で「書籍」に関しての記述があります。
(書籍という情報媒体は)持ち歩けて、電車の中でも、ベットの中でも、トイレの中でも、お風呂の中でも読めて、書き込みができて、線が引けて、頁を折り返せて、破り取れて、必要とあらばものを包んだり、燃やしたりして暖をとることもできる情報媒体なんて、ほかにないですよ。(p.158)
こうした記述は、独特ですよね!特に「必要とあらばものを包んだり、燃やしたりして暖をとることもできる情報媒体」というところまで考えている人っていないでしょ。そうしたところが、内田氏の魅力です。