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「2008年05月05日」のアーカイブ

日本テニス界は、もっと危機感を感じて欲しい!?

連日のニュース・・・クルム伊達公子選手は、シングルス決勝で敗れてしまい準優勝。ダブルスは、フルセットの末、優勝という結果だった「岐阜県カンガルーカップ 2008」。私個人としては、伊達選手の素晴らしいショットバリエーション、それを生かすためのメンタルタフネス、更には、ファンを大切にするプロ魂、と単純に結果だけを振り返ってもその凄さ、素晴らしさは、特筆すべき内容だったと感じています。

さて、そうした伊達選手の活躍、いったいどのように周囲は反応すべきなのでしょうか。単純に「すご~い!」とか「素晴らしい~」といった感想だけでは済まない!

とても興味深い投稿記事を見つけました。それは、先日も本ブログの投稿記事、「プロ選手のスポンサーになるということ」で、他の投稿記事を参考にさせて頂いた内田暁女史による「LA在住ライターの「LALALAスポーツのほほん漫遊録」::小浦氏が語る、伊達快進撃の「現実の裏の真実」」というもの。「現 JTA 強化本部本部部長にして、伊達公子を中学生時代から指導してきた小浦武志氏が、伊達公子が復帰を決意し、今に至るまでの経緯」ということで、小浦氏の話が紹介されています。

全文は、投稿記事を参照して頂きたいのですが、私にはかなり衝撃的な内容を含んでいます。ちょっと引用しながら、私なりの感想を記述していきたいと思います。

昨日の中村、その前に藤原が負けたということもあり、随所で、「日本テニスはどうなってるんや」という話が聞かれます。ただ(伊達は) 3 週連続で(大会に)出るので、体力的なことも懸念されますが、来週また同じことが起きるかと言ったら、かなりのチェックが伊達に入りますので、それは難しいと思います。なので、来週の福岡の戦いは、伊達がそんなに簡単に勝てるとは思っていません。

上記で話が出ている「中村」や「藤原」と表現されているのは、日本を代表する女子プロテニスプレーヤ。そうした日本のトッププロは、最初の大会だから伊達選手を「甘く見ていた!」ということでしょうか。即ち、伊達選手が、大会前に「若い人達に刺激を・・・今の日本では杉山愛ちゃんが頑張っているようですけど・・・」と表現した意味に気が付かなかった、ということですよね。そうした表現を伊達選手に許してしまったプロとしてのプライドが足りなかった、と暗に表現しているように解釈できないでしょうか。

もし私の解釈が正しいとするなら、そうした現役女子プロの強化を担当している小浦氏の責任は計りしれません。平然と上記のような発言ができてしまう環境は、やはり外野かららすれば、ちょっと「異常な世界」としか映りません。伊達選手へのアドバイスに関しては実施して、他のプロ選手へのアドバイスは実施しなかったのでしょうか!?伊達選手対策は!?

これまで彼女は現役を止めて11 年半、キッズテニスや JICA などのセカンドキャリアでテニスに携わってきましたが、私としては、正直物足りなかった。50 歳になっても出来る仕事だと。なら、今出たいというなら、「名選手、必ずしも名コーチあらず」ということもありますから、あなたがテニス界にできることは、体を張って恩返しをすることだと。それが一番。

上記の発言も信じられません・・・11 年半も「物足りなかった」伊達選手のセカンドキャリアを放置していた・・・その間に伊達選手を慕って、そして信じてレッスンしてきたテニス選手は、上記のコメントにどう反応すればいいのでしょうか。伊達選手のコーチを受けてきました、というプレーヤ、特に若いジュニアの選手に対して、「伊達選手のセカンドキャリアとしてのテニスは物足りないから」と言い訳をするのでしょうか。あまりにも上記の発言は無責任だと思いませんか!?

全日本選手権も、ワイルドカードで出ようと思えば、出られる。でも、本人はランキングでちゃんと勝負したい、そう言っていたんです。今大会も、メインドローに出すと言われたんですが、「それは要らない」と言いました。

上記は、伊達選手の凄さではあると思うのですが、一方でワイルドカードを提供してしまう日本テニス界の最大の課題が浮き彫りになっていると感じました。「そっか、やっぱり!」と残念ながら膝を打ってしまいました。

ランキングホルダーではないのですから、例え過去の実績が素晴らしくとも、予選からの出場は当然のことなはずです。伊達選手は、ワイルドカードの提供に対しても「そんなことをしているからダメなんです」と言っていると思いませんか!?もし、そうだとすれば、そうした失態を協会は素直に受け入れ反省すべきなのだと思いますが・・・

本当に、目に見えない色んなモノが、浮き彫りになってきました。僕は、日本のテニスは間違いなく、来週から変わると思います。中村や藤原も、来週は目の色を変えてやってくるでしょう。皆さん方には、思いっきり書いて下さって結構です。「ナニやってる、日本のテニス」と書いて下さって良いです。ここで私が受けて立っていますから。

上記もちょっと・・・どうやって受けて取ってくれるのでしょうか。本気で、そして日本のあちらこちらに真剣にテニスを応援している我々のような庶民の意見を、どうやって受け取ってくれるのでしょうか。軽々しい発言としか捉えることができません。具体的にどうやってといった内容は示されていませんから・・・

伊達選手の戦績は、それこそ伊達選手が試合前に発言していた「若い人達への刺激」だけには留まらなくなりました。日本のテニスを支える各種団体(テニス協会だけではありません・・・)、現役のプロ選手、監督やコーチ、そして将来有望視される競技テニスを実践している選手、そしてテニスを応援する周囲の人達(我々のようなジュニア選手の親達を含みます)、全てが真剣に「日本のテニス」を見直す必要があります。

小浦氏の発言は、そういう意味で、あまりにも他人事のように感じてしまって、寂しい気もしますが、そうした感慨にふけっている時間がありません。これをきっかけに、真剣に「日本テニス」を考え直しませんか?

日本のサッカーが、頂点から末端までを組織化し、更には世界で通用する日本サッカーを創造するために、一致団結して成功を収めているではありませんか!日本野球が「つまらなくなった・・・」という感想もあるでしょうけど、それでも世界に通用する純日本人を世界へ排出しているではありませんか!水泳だって、柔道だって、陸上だって、日本人の活躍は、連日報道されていますよ。

テニスだって、絶対にそうした可能性があるに違いないのです!167cm のエナンが世界を獲るのですから、日本人特有の背格好で単純に不利です、といった言い訳はできません。

伊達選手、上記のような発奮を期待しての復帰劇だったと信じて・・・