深い部分でアメリカに迫る本
アメリカ在住 7 年!先日読了した内田樹、平川克美著「東京ファイティングキッズ」(朝日文庫:2007年5月)における内田氏と平川氏のアメリカに関する書簡(メール)での議論は、知っているようで知らなかったアメリカを、またアメリカに在住している時に感じていたけど表現できなかったようなことを見事に言い当てているな~と感心しました。今更ながらに、ちょっとアメリカを勉強してみたいな、と感じるようになりました。
この文庫に参考書というか、アメリカに関しての読むべき本として、なんと 40 年以上も前に書かれたリチャード・ホーフスタッター著「アメリカの反知性主義」(みすず書房:2003年12月)を取り上げていますが、かなりボリュームもあるし、価格が価格なのでちょっと躊躇してしまいます。自己啓発なんですから、そんなことを考えていてはいけないのでしょうけど・・・
内田氏本人は、内田樹著「街場のアメリカ論」(NTT出版:2005年10月)を出版していて、Amazon での評価も高いようですね!「(内田樹氏は)アメリカ問題の専門外という立場をフルに生かして、専門家では絶対にわかなら ない日米関係の本質をつぎつぎに指摘」する内容だそうです。
アメリカを知る読書計画 2008!?
ところで「アメリカ」ということでは、「BRUTUS 2008 1/1・15 合併号」の特集「読書計画 2008」にも紹介があったような気がして、再度、積み上げてある BRUTUS をひっくり返して確認してみると、あったあった!
国際ジャーナリストの小西克哉氏の「大統領選を外野から満喫するための 10 冊」と題して、アメリカに関する推薦図書を紹介しています。
推薦図書に関しては、4 つのカテゴリーとも考えられる内容に分けられていて、改めて拝読すると、かなり面白うそうです。そうしたカテゴリー毎に推薦本をリストしておきます。
まずはこの 1 冊
まずは、アメリカを知る上で最初の 1 冊として、橋爪大三郎著「アメリカの行動原理」(PHP新書:2005年5月)を推奨しています。著者の橋爪氏は、社会学が専門ということもあって、興味をそそります。社会学的な視点からアメリカを紐解く、と解説されているこの新書は読んでみたい本の筆頭です。
アメリカの心を知る
このカテゴリーでは、以下の 3 冊をリストしています。
- ドット・ギルトン著「アメリカの文化戦争 - たそがれゆく共通の夢」(彩流社:2001年10月)
- シーダ・スコッチポル著「失われた民主主義 - メンバーシップからマネージメントへ」(慶應義塾大学出版会:2007年9月)
- ロバート・N. ベラー、ウィリアム・M. サリヴァン、スティーヴン・M. ティプトン、リチャード・マドセン、アン・スウィドラー著「心の習慣 - アメリカ個人主義のゆくえ」(みすず書房:1991年5月)
特に上記リストで、シーダ・スコッチボル氏は、ハーバード大学の社会学の教授ですから、このカテゴリーでは、私としては最も興味ある 1 冊です。
アメリカの外交を知る
アメリカの外交に関しては、個人的にはあまり興味がないのですが、それでもアメリカを知る上では重要なんでしょうね!以下の 3 冊がリストされています。
- 吉崎達彦著「アメリカの論理」(新潮新書:2003年4月)
- 宮台真司、神保哲生著「アメリカン・ディストピア - 21 世紀の戦争とジャーナリズム」(春秋社:2003年9月)
- ロバート・ケーガン著「ネオコンの論理」(光文社:2003年5月)
購入し易い新書である「アメリカの論理」からがとっかかり易いかな、と感じていますが・・・
アメリカの壁を知る
これまでのカテゴリーでの推薦図書に関しては、どれもマクロの視点でのアメリカに関してでした、と解説していて、以下の 3 冊は、ディテールに肉付けするとしています。
- 町山智浩著「USAカニバケツ」(太田出版:2004年12月)
- 町山智浩著「底抜け合衆国 - アメリカが最もバカだった4年間」(洋泉社:2004年8月)
- マイケル・J. ワイス著「アメリカ ライフスタイル全書 - 40クラスターに見る素顔の社会」(日経 1994年01月)
上記のリストは、ちょっとパッとしない!?気がしますが。それでも町山智浩氏の本が 2 冊、選定されているのは興味深いですね(って、町山氏を知っているわけではありませんが・・・)
さてさて、どっから行こうかな・・・