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Business

本サイトの姉妹サイトである「No Try, No Win」では、いくつかのビジネスコンセプトをご紹介していますが、全てが下記の基本に基づいています。本サイトでのほとんどの投稿記事の根底にも根付いていて、そのコンセプトなしでは成立しません。以下、そのビジネスコンセプトの一覧です。

管理サイクルや QC Story の考え方は、当初ビジネスコンセプトと考えていましたが、最近では日常生活の中でも根付いてきていることに気が付かされています。

  • 管理サイクル:PDCA Cycle (本ページ、下記参照)
  • QC Story:問題解決のためのフレームワークです。
  • 企業モデル:Enterprise Model

管理サイクルと QC ストーリーは、考え方の基本であり、2 つはセットで考える必要があります。また、企業モデルは問題発見のためのツールである、と解釈しています。日夜、この 3 つのフレームワークを改良できないか、改善できないかを考えていますが、今のところ最良であると信じています。

日本語の “管理” という言葉は、しばしば Management、Control、Administration 等に翻訳されていますが、実際の意味としては、この 3 つの翻訳の全てを含んでいます。よって、最近では Kanri とローマ字表記を英訳として使っている大学教授やコンサルタントが欧米圏では存在しています。そこで、まずはこの “管理” を定義します。

管理とは、将来実施すべき事項を計画し、その計画を実行し、実行した結果を確認し、確認した結果、計画通りになっていない事項を修正、または処置するといった一連の流れとして捉えることができるサイクルを指す。

つまり PDCA サイクルそのものを指すことにします。

管理::Kanri

このPDCA サイクルは、もともと品質管理の分野から提唱された[*1]ことから、製造業や生産管理のためのものと誤解されがちですが、実際にはビジネスのあらゆる場面で活用することができます。PDCA のそれぞれは、以下の通りです。

  • Plan:目標や目標達成のための実施項目を計画すること
  • Do:計画を実行すること
  • Check:実行した結果、または現状を確認すること
  • Act:確認した結果にもとづいて計画に沿っていない部分を修正、または処置すること

実際に、こうやって定義してみると簡単なのですが、実際に実行する段階は結構難しい。例えば、Plan における計画段階で、目標が明確に定義できるか、実施項目に 5W1H(Who、What、Where、When、Why、How)が設定されているか、といった2点だけでも欠けている Plan が多いのが現実です。また、この管理サイクルは、一度ならず無限大にまわす事によって継続的に業務改善をしていく事が重要なのです。

脚注 [*1]
品質管理を構築したウォルター・シューハート(Walter A. Shewhart)、エドワーズ・デミング(W. Edwards Deming)らによって提唱された、とされている。

QC Story

ベーシック生産入門コンサルタントの世界では、問題解決の方法論を知らないとちょっとした犯罪者扱いになります。コンサルタントによって、その方法はさまざまだと思いますが、私は、”QC ストーリー” と呼ばれる問題解決の方法をベースに全てを組み立てています。

トヨタ自動車は、ご存知の通り、品質管理の概念が生きていると言われています。彼らの問題解決の基本は、“QC ストーリー” と呼ばれる 7 つの手順で構成される問題解決の方法と理解されていることが多いようです。QC ストーリーの手順は、通常以下の通りですが、文献によっては更に細かい手順に分解して紹介しているものもありますが、重要な事は、現状把握と原因追求にあります。共に数字化できる尺度を持って実施する事をある種強制しています。

QC ストーリー
手順 1:問題抽出
手順 2:テーマ設定
手順 3:現状把握
手順 4:原因追求
手順 5:対策立案
手順 6:対策実施
手順 7:効果確認と今後の計画

こうした問題解決の方法をマスターしていれば、ほとんどの場合、クライアントからの相談事に困ることはありません。また、上記の手順の中で、私は、”QC 7 つ道具” と “新 QC 7 つ道具” と呼ばれる道具を駆使します。それぞれは以下の通りです。

QC 7 つ道具
1. 層別
2. グラフ
3. 特性要因図 (石川チャート、フィッシュボーン)
4. 管理図
5. パレート図
6. ヒストグラム
7. チェックシート

新 QC 7 道具
1. 親和図法 (KJ 法)
2. 連関図法
3. PDPC
4. アローダイアグラム
5. 系統図法
6. マトリックス図法
7. マトリックス・データ解析法

ここに詳細を紹介する事は避けますが、全てに関して知識を得ておく事は、品質管理の専門家でなくとも重要だと考えています。まずは、QC ストーリーをマスターする必要がありますが、課題達成型 QC ストーリーといった新たな問題解決(課題達成)方法が提案されていますが、基本は “QC ストーリー” です。

もし上記のような QC ストーリーに興味があって詳細を知りたいということであれば、私は疑う事無く、日経文庫から出版されている谷津進著の「ベーシック生産入門」(日経文庫)を推薦します。

ちょっと表題からすると生産管理の本と考えられがちですが、内容は学生でも理解できるし、会計やその他の分野の専門家でもねっころがって読む事ができるので、機会があれば是非目を通してみると良いでしょう。

(改:2007年06月26日)
(改:2007年06月05日)
(記:2007年02月10日)