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カテゴリー:「脳科学」に関するアーカイブ

脳科学は、ヒトを含む動物の脳について研究する学問分野で、神経科学とも呼ばれ、それに関連する投稿記事。

フリーズする脳

フリーズする脳―思考が止まる、言葉に詰まる (生活人新書)これまで、脳科学に関する新書、文庫本を読みあさってきましたが、ほとんどが(というより全て!?)内容は、ポジティンブな内容でした。ポジティンブ・・・即ち「前向き」ということで、あまり脳が原因となる問題を指摘している内容の文献は少なかった。意識的にそうした内容の文献を選んでいたのですが。

しかし、遂にショッキングな内容!?の文献を選定して読むことにしました。ただ、以前、本ブログの投稿記事、「脳が冴える 15 の習慣」でご紹介した築山氏の新書、築山節著「フリーズする脳―思考が止まる、言葉に詰まる」(生活人新書:2005年11月)ですから、結果としてはポジティブになると信じていますが。

前半に、やっぱりショッキングな記述が・・・

ボケの原則というのは、自分の脳を使っていない、もしくは使い方のバランスが悪いことが原因になる、また、その自分でしなくなっている「何か」を誰かが補っていしまっていることが多いということです。その「誰か」は人ではなく、パソコン、インターネット、携帯電話、カーナビなどの道具であるかもしれません。(p.24)

本書を読み進めていくと、システムエンジニアやプログラマー、更には大学教授やトップレベルの営業マンが若くして「ボケ」てしまうといった事例が報告されていて、事例と共に原因を解明すべく、記述されていて、やっぱり怖くなる。また、文章そのものが明快でとても解り易いので、「怖さ」が増しているようにも感じますが。

私も、本書に書かれているように、「以前会ったことがある人の名前を忘れる」、「話の途中で急に話していた内容が続かなくなる」といった現象が最近頻繁になってきたし・・・朝起きたら直ぐに PC でメールのチェック、ほとんどの時間をパソコンにインターネットに時間を割いているし。

ただ、救いは「ボケ」は修正することができる、ということですから、頑張って「ボケ」ない様にしようと心に誓わせる、といった内容ですね!

脳への栄養

海馬―脳は疲れない (新潮文庫)以前本ブログの投稿記事、「糸井重里氏も「海馬」に興味がある!?」でもご紹介した文庫本、池谷裕二、糸井重里著「海馬―脳は疲れない」(新潮文庫:2005年6月)の中には、かなり興味深い内容が含まれているのですが、順次機会があったらご紹介しようと思います。

と言いながら、結構沢山あってこれまでまったく認識することがなかったような内容もあります。流石に全てをご紹介していくことはできないでしょうけど。とにかく何度読んでも面白い!

まずは、脳への栄養!

グルコースです。つまり、ブドウ糖。炭水化物が分解されたものですね。まさにこの炭水化物こそが脳の唯一無二の栄養なのです。ですから、受験の時には、カツを食べるよりも、ごはんとかおソバを食べるほうがいい。(p.71)

これって常識なんでしょうか?私は、学生のころ、受験の時に限らず、重要な勝負どころでは母が必ず「カツ」を出してくれました。縁起を担いで・・・ということだったけど、緊張感で食事が喉を通らなかった・・・

受験前、試合前、その他、「脳」を使わなければいけないときは、炭水化物なんですね!

ところで、炭水化物ですが、「カラダ美人道::「太らない炭水化物の食べ方」というウェブページがあって、そこで、「炭水化物は筋肉を動かすエネルギー源」と記述されていて、以下のような解説があります。

エネルギー源が不足するとどうなるのか。カラダを動かすことができなくなったり、頭がはたらなくなったりします。運動をしている人でも、持久力がない、筋肉がつかないという場合、「炭水化物が足りない」という人がいます。

上記では、炭水化物が不足すると「頭がはたらかない」ということが記述されていますので、やっぱり常識のレベルなのかもしれませんね。また、運動にも重要なようです。

運動を覚える記憶のメカニズム

面白いウェブページを発見しました。「RIKEN BSI NEWS No.31」というページですが、そこに運動を覚える記憶に関する簡単な記述がありました。

脳の最も重要な役割のひとつである「記憶」。記憶の種類は、「事柄を覚える記憶」と「技(運動)を覚える記憶」の大きく二つに分けられる。

「事柄を覚える記憶」は、大脳や海馬のシナプスが長期間、信号を通りやすくする「長期増強 (LTP[*1])」によって実現するのに対し、「技を覚える記憶」は小脳のシナプスが信号を通りにくくする「長期抑圧 (LTD[*2])」によって行われる。

確かに、これまで読了した脳科学に関する新書、文庫本では大脳を扱っていて、小脳に関しての記述はあまりありませんでした。ちなみに LTP は、池谷裕二氏が発見し、LTD はやはり日本の伊藤正男氏が発見したそうですから、今まで知識から日本の「脳科学」の研究が世界でも最先端をいっている、ということができるのでしょうか。

さて、上記のページでは、「“技の記憶”がどのようなメカニズムで形成されて、それがどう蓄えられ、どう使われるかというのは、脳研究の中でも非常に重要な大切なテーマ」だそうで、世界中で多くの研究者が同じ研究をしる、と説明されています。

また、運動の記憶に関しては以下の 2 つの記憶をリストしています。

  • 数時間程度の練習で生じる「短期運動学習」の記憶
  • 数日間レベルの練習で生じる「長期運動学習」の記憶

記憶と学習に関しては、常に脳科学の文献では語られていますから、もう少々詳細な勉強が必要なんでしょうね・・・

脚注:[*1]:LTP: Long-Term Potentiation
脚注:[*2]:LTD: Long-Term Depression

小脳をウィキペディアで調べてみると、上記に関連した以下のような説明かありました。

  • 前庭小脳:身体平衡と眼球運動を調節する。
  • 脊髄小脳:体幹と四肢の運動を制御する。
  • 大脳小脳:運動の計画と感覚情報の評価を行う。

大脳と共に、小脳に関しても勉強したくなってくる!

ゆめみる脳科学:脳も知らない未来へ!

面白いサイトがあるんですね!「10th BSI::理化学研究所 脳科学総合研究センター」がそれ。難しそうな名前ですが、サイトは結構簡単に表現されているし、親しみ易いサイト構成になっています。ちなみに、本家のウェブサイト、「理化学研究所 脳科学総合研究センター」は別のウェブサイトを公開しています。

理化学研究所 脳科学総合研究センター (Brain Science Institute (BSI)) は、本年、創立 10 周年を迎えます。米国が「脳の 10 年」を宣言し、脳研究がその科学的・経済的・社会的意義の大きさから世界的に加速する中、BSI は、わが国の脳研究戦略の中核として 1997 年 10 月に設立されました。脳という内なる宇宙を科学するため、医科学、生物学、物理学、工学、情報科学、心理学など 500 名を超える様々な分野の研究者・技術者が集結し、ミクロな脳の分子機構にはじまり、神経細胞とその回路、認知・記憶・学習の仕組み、さらに言語の獲得、脳とロボットなど、理論と実験を交えながら幅広く研究を重ねてきました。その脳科学の歴史を変える数々の研究成果や人材育成などの貢献により、BSI は世界的な信頼を獲得しています。

あまり積極的には更新はされていないようですが、ちょっと注目したいな、と思わせる内容が盛り込まれていますよ。

糸井重里氏も「海馬」に興味がある!?

海馬―脳は疲れない (新潮文庫)以前の投稿記事、「高齢とともに記憶力が衰える、はウソ!:記憶力を強くする」を公開し、投稿記事の中で池谷裕二著「記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方」(ブルーバックス:2001年1月)をご紹介しました。ブルーバックスということも手伝って、ちょっと内容は専門的なことを含んでいて、簡単にすらすらと読了できるものではありませんでした。

そこで、めったに文庫本を購入することは無いのですが、上記のような理由と、記憶を左右する「海馬」に絞ったテーマの文庫本、池谷裕二、糸井重里著「海馬―脳は疲れない」(新潮文庫:2005年6月)を知り早速購入。

糸井重里氏と池谷裕二氏との対談形式の内容ですが、予想以上にすらすらと読み進んでいくことが出来ます。本書のきっかけは、糸井氏が池谷氏の「脳科学」に関する考え方を知りたい、ということだったらしいのですが・・・

意外と 2 人の質疑応答が面白く、的外れな会話はほとんど見受けられないので、結構楽しめます。脳科学における「記憶力」の解釈を理解するには、ブルーバックスよりもかなり理解しやすく構成されていると思います。

たとえ、2 人の会話が思わぬ展開で、読者にとって理解できないような内容になったとしても、各章の終わりにポイントの総括がありますから、脱線してもどんどん読み進めても安心です。

「記憶力」に関しては興味があるけど、ブルーバックスはどうも手が出しにくいという方には、この「海馬」は内容も重複している部分が多く、お勧めです!

追記:2007-11-23
上記の「海馬」に関するニュースを発見しました!「Yahoo!ニュース::サイボーグの脳=夢のデータベース」というのがそれ。「海馬」の内容の引用が多いですが・・・

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