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カテゴリー:「脳科学」に関するアーカイブ

脳科学は、ヒトを含む動物の脳について研究する学問分野で、神経科学とも呼ばれ、それに関連する投稿記事。

スポーツ上達のキーであるイメージ記憶とは!?

新書、林成之著「勝負脳の鍛え方」 (講談社現代新書:2006年10月)において、人の運動が上達するか否かは、ある記憶の仕組みが大きく関係しているとしています。

その記憶というのが、「イメージ記憶」という記憶らしい。上記の新書によれば、「イメージ記憶」とは以下の通りです。

(イメージ記憶とは)物事をありのまま記憶するのではなく、その物事についてのイメージを自分の頭の中でつくりあげ、それを記憶することいいます。じつは人間の記憶はすべて、このイメージ記憶よっておこなわれています。(p.29)

具体的を例にとって、時速 150km 近いスピードで投げ込まれるピッチャーのボールをバッターが打てるのは、このイメージ記憶があるからで、実際にはボールを認識してから「打つ」と考えてスウィングしていては、時間的に間に合わないことで説明されています。更に後半では以下のように追記されています。

イメージ記憶はあらゆるスポーツにおいて重要です。いい選手になりたければ、このイメージ記憶の能力を鍛えれば確実に上達します。(p.33)

どんなスポーツにおいても、反復練習が重要なことは誰でも認めるところでしょう。何千回、何万回と繰り返し練習することで、大事な大会や試合で実践できる。練習していないことは、当然ですが試合で出すことはできません。即ち、反復練習をすることは、このイメージ記憶を頼って、体に覚えさせていた、ということがいえるのでは無いでしょうか。

こうやって考えると、スポーツ選手として、どうやってこの「イメージ記憶」を向上させるかが非常に重要なことである、と認識できるでしょう。単純に苦しい!?練習を繰り返していても、あまり効果は無さそうです。できるだけ短時間で、できるだけ簡単にスポーツで上達できないか・・・この問に少しでも近付くためには、イメージ記憶をどうやって鍛えるのか、ということが非常に興味深いことになってきますよね!

上記の新書、実はこの最も重要な「イメージ記憶」の鍛え方に関しても触れていますので、投稿記事を改めてそれを検討したいと思います。

「意識」「心」「記憶」を調整するモジュレータ神経群

林成之氏によれば、「意識」には「外意識」と「内意識」の 2 種類ある、と解説しています。概要は、投稿記事「勝負脳:2 つの意識、「外意識」と「内意識」」としても公開しています。これらの意識と密接な関係があるのが、ドーパミン系神経としています。

林成之著「勝負脳の鍛え方」 (講談社現代新書:2006年10月)において、以下のように記述されています。

ドーパミン系神経は、意識(内意識)によってもたらされる刺激や情報によって、何かを思ったり感じたりするという働きをしている。人間の「心」と呼ばれるものは、このとき発生しているのであり、具体的には、脳の中の海馬回をはじめとするドーパミン系神経群[*1]が「心」の生まれる場所なのだ。(p.24)

上記の記述の中に出てきた「海馬回」は、一昔前ちょっとした流行のように語られていた言葉ですが、私はまったく興味がなく、知識がありませんのでちょっとここで覚書を示しておきましょう。

脳の中でドーパミン神経伝達物質を多く使うものには、記憶を司る海馬回(かいばかい)と、喜怒哀楽の中枢である扁桃核(へんとうかく)があります。(p.21)

上記から、海馬回とは記憶を司っている!「意識」、「心」、「記憶」は、海馬回でつながっていて、それぞれが連動しながら機能している、としています。海馬回をはじめとするドーパミン系神経群には、こうした三者を調整する機能を果たす神経群が存在し、それをモジュレータ神経群と呼ぶことにする、としています。モジュレータ神経群の存在は、林成之氏が独自に「モジュレータ理論」と名付けて世に出している、ということです。

強い心を手に入れるためには、意識や記憶を無視することはできないし、記憶を増強したければ、心や意識を無視することができない、ということに結論付けられます。こうしたことは、脳科学を勉強する以前には、皆目見当もつかないことでした。

記憶は、人間の脳が持っているさまざまな知能の根本となるものです。人間は記憶をもとにものを考え、判断し、表現しています。その記憶が心と連動しているといことは、とりもなおさず、人間の知能が心と連動しているということになります。(p.26)

ここまで表現すると、人間が物事に優れた実力を発揮するためには、意識、心、そして記憶を強化する必要がありそうだということになりませんか。少なくとも私個人としては、この内容は衝撃的でした・・・

私は、スポーツの世界で言われている「心・技・体」だけでは、限界があるという自論を持っていますので、上記から「心・技・体・知」として知能を加えたいと考えます。実は、更に進化させて、「心・技・体・知・流」の 5 つにしたいと考えていますが、このことは後日に譲りたいと思います。

脚注 [*1]
モジュレータ神経群は、即ちドーパミン神経群になるのですが、以下の 7 つを指しています。

  1. 海馬回(かいばかい)
  2. 扁桃核(へんとうかく)
  3. 視床下部(ししょうかぶ)
  4. 側坐核(そくざかく)
  5. 尾状核(びじょうかく)
  6. 嗅結節(きゅうけつせつ)
  7. 前頭連合野(ぜんとうれんごうや)

これらの神経群は、ドーパミン A10 神経群とも呼ばれているそうですが、わざわざモジュレータ神経群と定義する意味がぼやけてしまいましたが、まずは上記の神経群を記憶することが重要なようです。詳細に関しては、後日、記述するとしましょう。

勝負脳:2 つの意識、「外意識」と「内意識」

勝負脳の鍛え方以前本ブログの投稿記事として「とんでもない新書に出会った!勝負脳の鍛え方」を公開しました。脳科学に興味が俄然でてきたきっかけとなった新書、林成之著「勝負脳の鍛え方」 (講談社現代新書:2006年10月)はある意味衝撃的な内容でした。

この新書は、意識には「外意識」と「内意識」という 2 種類があって、「心」が生まれる場所があって、「意識」「心」「記憶」は連動している、としています。市場では、こうした連動説があまりにも単純であると評価している方もいらっしゃるようですが、モデルというものは、なるべく簡潔で複雑にしない方が良いと私は信じているので、こうした連動説はいかにも説得力があります。

「運動」とは、脳の働きであって、「脳」の働きによってプレーの良し悪しが決まる、という理論も新書全てを熟読するととても説得力があります。

勝負脳を理解するために、まずはその出発点である「外意識」と「内意識」を理解する必要がありそうです。

「意識の二構成理論」、つまり意識には二つある。人間の意識には、外からの刺激に反応する「外意識」と呼ぶべきものと、もうひとつ別に、外からの刺激をうけとめて脳内で情報を処理する「内意識」というべきものがある。(p.20)

上記の記述は、私個人としてはとても明確で簡潔なのですが・・・更に新書では、以下のような記述もあります。

人間はある刺激や情報を感知すると、それに対して外界に反応する(外意識)一方で、脳の内側にもそれらの刺激や情報を送り込む(内意識)。(p.23)

ここまで記述されれば、2 つの意識、「外意識」と「内意識」は明確になるのではないでしょうか。特に、「内意識」は、人間の「心」と密接な関連がある、と本書では説いています。こうした関係は、別に改めて記述したいと思います。

運動神経とは:運動神経の科学

脳科学に関する新書としては 3 冊目になるのでしょうか。ちょっと脳科学という謳い文句はありませんでしたが、書店で目についた小林寛道著「運動神経の科学」(講談社現代新書:2004年9月)を購入しました。

内容はとても興味深く、いっきに完読することが出来たのですが・・・脳や運動神経に関する説明や新しい発見に関する記述はとても快適で、文章自体も難解なことは無く、読み易い内容だと思うのですが、いざ「じゃ、どうやって運動神経を向上させるの?」という部分に関しては、著者が開発したトレーニングマシンの購入が必須のような記述になっており、とても身近のトレーニングでは出来ないような記述になっているところは、ちょっと残念に思いました。

新書において、運動神経に関して以下のように定義しています。

「脳、脊髄、筋肉を結ぶ包括的運動神経回路である」と答えようと思う。この包括的運動神経回路を改善することにより、運動能力は飛躍的に向上する。包括的運動神経回路を良い方向に活動させる大きな要素は、「意識」、「意欲」、「頭の柔軟性」であると思う。(p.163)

この新書には、一時流行った「なんば走り」に関する解説や「大腰筋」に関してもその重要性を説いており、脳科学以上の視点で「運動神経」を解説しているのでとても興味が湧きました。

上記の新書の最後に「運動神経の科学」に関するウェブサイトが紹介されていました。興味がある方は、覗いてみると良いかもしれません。

追記:2007-10-09
NHK で以前に「かけっこ新健康術」という特集をためしてガッテン」でやっていたのを思い出しました。確か大腰筋を鍛える、といった内容だったような・・・ウェブを調べてみると・・・ありました!「子供も高齢者も必見!かけっこ新健康術」というページが過去の放送の記録として!

脳科学をベースに常勝教育

最近のマイブームは、なんといっても「脳科学」!まだまだ勉強不足、というより脳科学の初歩中の初歩をかじっただけですが。

それでも、林成之著「勝負脳の鍛え方」 (講談社現代新書:2006年10月)築山節著「脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める」(生活人新書:2006年11月)といった新書に出会って、なんともトンネルの中から一気に外へでたような明るさが見えてきました。

カリスマ体育教師の常勝教育実は以前、原田隆史著「カリスマ体育教師の常勝教育」(日経BP社:2003年10月)という書籍を読みました。次女が参加するジュニアテニスで、周囲からは「素晴らしいテニスをする」と評価されながらもどうしても結果がでない!そうした状況で、藁をも掴む思いで購入した本でした。

著者の原田氏は、元公立中学校の教師の先生で、「普通の子供を日本一に育てる」ための Know-How が書かれています。長期目標をたてること、その具体的な行動計画をたてること、自分で書かせて自覚させること、家庭での教育(しつけ)が重要なこと、簡単なことでいいから何かをやり遂げる子供にすること等、ちょっと親として耳の痛い話を含めて、いろいろと詳細が書かれています。

この本を読んだときには、「なるほどね~でも全ての子供に当てはめるのは無理があるんじゃないの?内容に根拠が無いし・・・」とちょっと批判的でした。

ところが、前述の 2 冊の「脳科学」に関する新書を読んでから、「常勝教育」をおさらいすると、一語一句が強烈に「正しい方法」として説得力を持ってきました。全ての内容が、「脳科学」としての根拠があることが解ります。

原田氏は、「心理学の本を読みあさった」と言っていますが、「脳科学」を勉強してからであれば、もっと詳細に「常勝教育」の良さやその根拠を明確に出来たのではないかと感じるのですが。

日本のプロゴルファーは、試合が終わると何が悪かったを反省し、その修正を試合後実施して次の日に挑みますが、タイガー・ウッズは、その日一番良かったショットを何度か試してその日の練習を終わります。

といった「常勝教育」で説明している日本人の問題点も「脳科学」として、「人間は怒られてばかりいると脳が自分を守るように働き、批判を受け付けなくなる」というとより納得できるようになります。

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