XserverXserverSupportDomainDomainSupportMany-KingMany-King Support

カテゴリー:「認知科学」に関するアーカイブ

「人の心」を「総合的に」研究する学問である認知科学に関する投稿記事。

認知科学の「認知」と「知覚」の意味

認知科学や心理学の書籍を読んでいると、当然のように扱われているのが、「認知」という言葉。ところが、この認知という言葉の意味が良く解りません。そこで、「認知」をウィキペディアで確認してみると、以下のような説明がありました。

心理学・言語学・脳科学・認知科学・情報科学などにおける認知とは、人間などが外界にある対象を知覚した上で、それが何であるかを判断したり解釈したりする過程のことをいう。

上記の説明で、「知覚」するということの意味がしっくりきません。日常生活で利用する言葉ではありませんから。そこで、「知覚」をウィキペディアで確認してみると・・・

知覚(ちかく)とは、動物が外界からの刺激を感じ取り、意味づけすることである。 視覚、聴覚、嗅覚、味覚、体性感覚、平衡感覚などの感覚情報をもとに、「熱い」「重い」「固い」などという自覚的な体験として再構成する処理であると言える。

視覚、聴覚、嗅覚、味覚、体性感覚、平衡感覚などの感覚情報をもとにして、さらに「これは PC である」などと解釈する処理などが認知である、ということが言えますね!

認知科学の 6 本柱

以前に公開した本サイトの投稿記事、「効力感って何??」で登場した波多野誼余夫(はたの ぎよお)氏は、心理学の権威であると共に認知科学でも権威があったようです。

波多野氏に関しては、河合塾が 1997年に認知科学に関して波多野氏にインタビューを敢行しており、その時の内容がウェブページ、「知覚や記憶など、人間の知的な心(マインド)を総合的に研究」として公開されています。

波多野氏によれば、認知科学を以下のように定義しています。

認知科学とは、ひと言でいうと、「人の心」を「総合的に」研究する学問です。心というと、普通、heart(ハート)を思い浮かべますが、認知科学が対象とするのはmind(マインド)の方です。人間は外界の様子を知ることによって生きていくことができるわけですが、その際に必要な視覚、聴覚、記憶、推論などをつかさどる心、その知的な機能について研究する学問が認知科学です。

更に、認知科学に関しての 6 つの柱として以下をあげています。

  1. 心理学
  2. 計算機科学
  3. 言語学
  4. 脳科学
  5. 文化人類学
  6. 哲学

認知科学が生まれた当初は、心理学、計算機科学(人工知能)、言語学が中心で、特に「言語を話し手はどのように処理しているかなどを研究する「言語心理学」が認知科学の中心」だった、と解いています。その後、現在に至る認知科学を以下のように説明しています。

その後、高次脳機能の研究(つまり人間のマインドの研究)ということで「脳科学」、文化の人の心への影響を探るという視点から「文化人類学」、そして認識論など二千年以上にわたって心(マインド)の研究を行ってきた「哲学」の3 つが加わった。

どうやら、認知科学といっても相当広範囲に渡って研究が進められているようですね!

認知科学の初めの一歩!

2007年4月からは、長女は無事に大学 1 年生!大学を選んだというより、「大学で何をやりたいか」という事で受験を選んだ長女ですが、何とそのやりたいことというのが「認知科学」!これがやりたいといっている専門領域。何じゃそれ!?そこで調べてみると・・・

日本認知科学会によれば、認知科学とは以下の通り。

認知科学というのは、人間を中心とする脳を持つ動物の心の働きを内側から解明しようとする科学です。外側から解明するというのは、対象の物理的な構造やその機能に注目した、解剖学や神経科学的立場ですが、内側から解明するというのは言語や外界の表象(脳内に作られた外界のモデル)などをその対象にするということです。

何やら良く解りませんが、どうやら認知科学とは、「心理学、人工知能、言語学、脳神経科学、哲学、社会学などさまざまな背景を持つ」そうでして、その領域はかなり広範囲に及んでいるようですが。

どうもこうした知らない専門領域を聞いてしまうと、「よっしゃ、俺も負けずに認知科学の知識を付けよう」と密かに想う今日この頃です。私は基本的に負けず嫌いですので。

ちょっと調べてみると、認知科学は、感性工学と関係が深いらしいし、統計学も駆使するようですね!なぜこうなるのでしょう?感性工学は、以前専門に勉強したことがあるし、統計はもともと専門です!

更に、「はてな Keyword::認知科学」においては、認知科学に関して、「ネット上のスタンフォード哲学百科事典にあるポール・サガードによる認知科学の解説からの引用翻訳」として、以下の翻訳が掲載されています。

認知科学とは心と知能の学際研究であり、哲学・心理学・人工知能・神経科学・言語学・人類学といった分野を含む。その知的起源は 1950 年代半ばまで遡ることができ、様々な分野の研究者が複雑な表象と計算に基づいた心の諸理論を発展させ始めたのがきっかけだ。その組織的起源は 1970 年半ばにあり、その頃アメリカで認知科学学会が作られ、学術雑誌である認知科学誌の発行が始まった。それから今や、北アメリカとヨーロッパで 60 以上の大学が認知科学の学術プログラムを設置し、さらに多くの大学が認知科学のコースを開設している。

認知科学は、英語では Cognitive Science とされ、定義が Standford Encyclopedia にあります。また、「KAWAIJUKU 大学教授・研究者インフォメーション::認知科学」が面白い!

認知科学全般を認識するために、まずは佐々木正人著「アフォーダンス-新しい認知の理論」(岩波書店:1994年5月)あたりから勉強してみようかな~更に以下の書籍が面白そうですね!

更に、インターネットを徘徊していて、立教大学の都築誉史氏による認知科学に関する記述を発見しました。

第1回認知科学会議の招待論文のなかで,ノーマン(Norman, D. A.)は認知科学で扱うべき12の主題として,信念システム,意識,発達,感情,相互作用(社会的,あるいは人間-機械),言語,学習,記憶,知覚,行為実行,技能,思考をあげているが,実際の研究は,記憶,言語,思考といった人間の知識の機能,構造,処理過程に関連した領域に集中している。

そういえば、一昔前に、「知識工学」とか「Knowledge management」なんていう言葉が流行りました。米国では、Chief Knowledge Management Officer (CKO) なんていうポジションも新たに設置されたりして。所謂、知識工学の役割が企業経営に大きな影響がある、という解釈ですがこの認知科学と深い関係がありそうですね!