先日の錦織圭選手の ATP (Association of Tennis Professionals) 優勝は、テニス界だけでなく、連日報道番組でも特集が組まれるほど大きな話題になっていますね!
もうちょっと各報道特集で「ATP で優勝することがどれだけの快挙か」を説明して欲しい、と感じているのは私だけではないでしょう。
一般の方には、まだまだ錦織選手の優勝の凄さが理解されていないような気がします。我が娘がテニスに夢中である以上、もっともっとテニスがメジャーなスポーツになって欲しいと心の底から願っています。
さて、そうした中、とっても興味深いブログの投稿記事を見つけました!「sirotona::錦織圭の出現は再現性のない奇跡なのか?」がその興味ある投稿記事です。(投稿記事には、全ての国が記載されていますが、本ブログでは上位 10 ヶ国のみ掲載)
投稿記事の出だしで以下のような疑問を呈しています。
テニスの神の DNA を持った天才少年が偶然日本に産み落とされただけなのだろうか?再現性のない奇跡なのか?錦織クラスの人材を今後日本で大量に生みだすことができるのだろうか?
そして、現在の ATP 100 位以内の選手を国別に集計して分析を実施しています。分析中、興味深いのは、その論理展開です。
テニスは、金がかかるから先進国が有利かと思いきや、新興国のロシア、アルゼンチン、紛争地域だった旧ユーゴ圏が躍進している。(中略)フランス、スペイン、アルゼンチン、ドイツ、ロシア、アメリカ等の一部の強豪国を除けば、(中略)世界 100 位以内に入ればどの国に行っても国内では上位選手だ。(中略)日本人選手が 100 位に食い込めなくても日本人選手の能力が低いとは言えないだろう。錦織の今後 100 位以内は確実としてあと 2 人が 100 位以内に入れば日本は世界 9 位の強豪国となってしまうのだ。
こうした分析は、とても興味があるのですが、残念ながら ATP だけ・・・即ち女子の分析は掲載されていないんですよね。
そこで!やってみました、同じようなことを WTA (Women Tennis Association) の最新ランキングの上位 100 以内の選手を利用して、国別の集計を。
当然ですが、女子も世界 100 位以内ということは、各国では上位の選手である、ということでまったく ATP と相違ないことは、誰でも認めるところでしょう。
ATP で言われる「強豪国:フランス、スペイン、アルゼンチン、ドイツ、ロシア、アメリカ」ですが、WTA では、フランス、スペイン、ロシア、アメリカはやはり強豪国といえるでしょう。ただ、アルゼンチンは、100 位以内に 2 選手がランクインで 12 位、ドイツにいたっては、1 選手のみのランクインです。
また、WTA で注目すべきは、杉山愛選手が 2008 年 02 月 14 日現在、世界ランキング 41 位、更には森上亜希子選手が同ランキングで 48 位!即ち、WTA では、日本人 2 名が 100 位以内で、国別になると何と 12 位ということになります。
更に、ATP では、100 位以内に入っているアジア人は、韓国の選手がたったの 1 名入っているだけですが、WTA は、以下の通りです。
- 中国: 4 名
- 日本: 2 名
- 台湾: 2 名
- タイ: 2 名
- インド: 1 名
アジアは、こうして分析してみると結構テニス圏なんですね、WTA の場合!結局、日本でメジャーになるためには、ランキングが高いというよりも、錦織選手のように「優勝」が必要そうです。
これまで、10 代のプロ選手でも、ゴルフ界の宮里藍選手、石川遼選手、横峯さくら選手・・・更には、野球界のまーくんこと田中将大選手、ハニカミ王子の斎藤祐樹選手、卓球の福原愛選手・・・全てが「優勝」がキーワードであるような気がします。
ATP や WTA という区別無く、前半でご紹介した投稿記事では、テニスを以下のように主張しています。
単純にショットの威力だけで勝負がつくなら身体能力の差と言えるかもしれないが実際は空間認識力や相手の長所短所等の能力を感じ取り、効果的に攻めたり守ったりする力や早い準備を実行したり相手を罠に嵌めるための予測能力の差やショットの深さ・角度の精度の差や技術力を発揮するためのメンタルの差で勝負が付く。ラケットの急激な進化でパワーテニスの時代と言われるけどお互いのパワーを封じ込めることに工夫することで競うような複雑な技術系のスポーツなのだ。そもそも体をぶつけ合うことのないスポーツは基本的に技術系だろう。
正に私が考えている「テニス」を総括していると思うのですが、選手達自身が上記のような認識がないのではないでしょうか。パワーテニスに対して筋トレに時間を割く日本人選手が多過ぎるような気がします。私個人としては、テニスに関してだけではありませんが、どうも日本のスポーツは、間違った練習やトレーニング方法を推進しているような気がしてならないわけです。
最後に、上記の投稿記事は、以下のように日本に対して提案しています。
フランス、スペイン、アルゼンチン、ドイツ、ロシア、アメリカそれぞれの人材発掘方法・指導内容・練習内容を細かく調べていき、これらの国が共通して大切にしていることの中で日本・イギリス等大半の国が大切にしていないことをリストアップすべきだろう。そこにヒントがありそうな気がする。ツアー旅費や帯同するコーチの費用等がかさんで(賞金ー経費)が赤字になる問題をどのように解決しているのか等現実的な方法もわかってくるはずだ。
基本的には、ATP の分析結果からの結論ですが、WTA はもっと近い中国にもヒントがありそうです。
いづれにしても、ゴルフに野球にサッカー、最近では卓球も・・・もっともっとテニスにメジャーになって欲しいと願っています。