日米教育論
ちょっとタイトルが大袈裟ですが・・・最近、自分の子供に関する接し方が正しかったのか、それとも反省すべきなのかを考えるようになりました。ただ、我が子達に特に不満があるわけでもなく、はちゃめちゃな子供達というわけでもありません。逆に、結構想像以上に良く育ってくれていると感じているのですが・・・
そうした想いの中、ちょっと気になることを思い出しています。我が家は、既に 15 年以上も前になりますが、私の仕事の関係で、渡米していました。というより、アメリカで仕事がしたい、という私の我侭からなのですが。長女 1 歳!当然ですが、次女はまだこの世に生をうけていませんでした。
早く英語に慣れて欲しいという願望から長女は、3 歳の時から幼稚園へ。英語が目的でしたから、できるだけ日本人のいない幼稚園、更には、できるだけ日本人のいない小学校へと通わせていました。アメリカの学校も、当然ですが成績表があります。この成績表・・・
担任の先生のコメント、即ち子供の評価が書かれていますが、最初の頃は、夫婦で英語が解りませんでしたから、あまり気にしていなかったのですが・・・幼稚園の最初の成績表。素晴らしい評価です!何一つ欠点がない、といった評価だったと記憶しています。
「まっ、外国人には甘いんだろうな~」
こんなことを考えていたのですが、2 年目になっても、ほぼ完璧な子供のような評価。ちょっと、これだけ良い評価ばかりが並ぶと不安になってきます。何を家庭で修正して、何を伸ばしていけば良いのか・・・
そこで、ちょっと有名なアメリカ人に相談したことがあります。このアメリカ人、2 つの学校を創立して、校長先生をやっていた事がある教育者!最終学歴は、マサチューセッツ工科大学の大学院で工学博士を取得している。そんな彼に、長女に関する成績表を持参して、読んでもらって感想を求めました。
「とにかく、問題点が何も記載されていないんだよね~」と私。
「何か問題があるの?」と友人。
「だって、これだけ良いこと尽くめの子供ってありえないよ」と私。
「きちっと子供を見ていないんじゃないかな?」と続けて私。
すると、大笑いしながら・・・
「アメリカではね、子供の良い所を必死になって探すんだよ。そして、良い所をどうやって伸ばしていくかを考える。これがアメリカのやり方。日本のように、問題点を指摘して、一生懸命問題点を修正するのは、アメリカの学校ではあまりやらないね。」
当時、この言葉は信じがたいことでした。問題点を修正せずにどうやって教育するのか・・・とにかく納得がいかないまま 7 年間を過ごしました。
しかし、最近になってようやくこのアメリカのやり方も一利あるな~と感じています。
どっかの書籍に記載されていましたが、日本のプロゴルファーは、一日のゲームで悪かったこと、つまり問題点をゲーム終了後に必死に修正する。しかし、タイガーウッズは、その日一番良かったショットを繰り返してその日を終わる!悪かったことを何度も修正する行為は、ネガティブになりがち。短期勝負の場合、良かったことを再現することによって、ポジティブな感覚で次を迎えられる・・・
結果は、明らかですよね!自分の良さを自覚して、それを積極的に伸ばしていく。これが日本の教育には欠けているのかもしれません。