「社会」を定義する!
社会学に興味があって、いろいろな文献を読んでいますが、やっぱり見田宗介氏と富永健一氏が日本の両雄なのでしょうか。私は、社会学が専門ではありませんから、良く解りませんが。
さて、社会学を勉強する手始めに、入門書や著名な書籍を拝読すると、「社会学」とは「社会」を研究対象とする、という至極簡単な出だしの書籍が多いようです。では、この「社会」をどう解釈するのでしょうか。
見田宗介著「社会学入門―人間と社会の未来」(岩波新書:2006年2月)によれば、以下のように記述されています。
「社会」はふつう、「個人」のあつまりと考えられる(同書、p.16)
一方、富永健一著「社会学講義―人と社会の学」(中公新書:1995年4月)においては、以下のように記述されています。
社会とは、複数の人びとの集まりである。(同書、p.16)
富永氏は、上記のような記述に対して 4 つの満たされるべき条件を列記していますが、それをこの場で詳細には説明しませんが、結局のところ、社会とは人の集まりであることは、共通の認識のようです。
こうやって、「社会」が定義されると、私が勉強した「経営」や「会社・企業」といった存在もまた一つの「社会」である、と位置付ける事ができそうです。実際に、富永氏は、マクロ社会の一つの分類として企業をあげています。こうした概念的な解釈は、意外と大きな思考の変化を促してくれます。「企業」の本質に立ち返り、企業が究極何を追求すべきなのか、企業は誰の所有物なのか、といった本質的な部分も見えてきます。