早足で地下鉄の駅での乗り換え。沢山並ぶ小さな露天のようなお店。昔懐かしい CD やレコード、ちょっと疑わしいブランドの革小物・・・いろいろな掘り出し物があると聞いたことがありますが、一度もそうした露天で購入した経験がありません。
そんな見慣れた光景でしたが、ひょっと目にした靴の露天商。ちょっと懐かしい靴が並んでいて・・・んっ!?白い柄に黒の 3 本線!あれは、間違いなく、私が現役!?のバスケットボールプレーヤ!?だった時に愛用していた「幻のアディダススーパースター」ではありませんか!
以前に、生産中止になったと聞いていましたし、私が中学生、高校生、大学生の時に愛用していたわけですから、当然偽者だろうと思ったのですが、何としてもその真相を確認したくて、お店の若い女性に質問してみると・・・「随分前に復刻したらしいですよ!」とのコメント。もう、気になって気になって・・・
ネットで調査!するとありました、ありました!「アディダス スーパースター」が。ご覧下さい、その雄姿を!
バスケットボールを始めた中学 1 年生の時、周囲の仲間が 3,000 円前後のバスケットシューズを履いていた頃、一人のライバルが購入したバスケットシューズは、5,000 円ほどする通称「アシックスのバックスキン」。正式な名前は、まったく記憶がありませんが、青や赤、更にはグリーン・・・色鮮やかなラインアップで、それこそ周囲の憧れでした。
そうした状況下で、私は監督先生が履いている「真っ白に黒い 3 本線のバスケットシューズが欲しいな~」と思い憧れていました。自分のバスケットシューズは、やはり 3,000 円ほどのもので、毎日の練習をこなしていると、1 ヶ月ほどで底に穴が開く!その度に、新しいものを購入してくれるように親に訴えるのですが、その度に「また~」と嫌そうに言われるのをはっきりと記憶しています。
そして、4 足目だったと記憶していますが、また新しいシューズを購入してもらう時に、ちょっと聞いてみようと考えて、監督先生に「先生が履いているバッシュ、何ていうんですか?」と聞いてみると・・・
「アディダスのスーパースターっていって、革でできているんだぞ!お前のように 1 ヶ月毎に底が破けるくらいならスーパースターの方が安上がりかもな・・・ただ、12,000 円だ!」
バスケットシューズで、12,000 円!!!当時は、3,000 円が相場ですから、12,000 円の価格は破格でした(今でも定価は 10,000 円するんですね!)それでも、「お前には安上がり」という先生の言葉だけが耳に残っていて、考えに考えた挙句に、母親に清水の舞台から飛び降りる想いで「アディダスのスーパースターを買って欲しい」と言ったのを覚えています。
「お父さんに聞いてごらん!」
ぎょぇ~それじゃダメかな、と思いつつも、アディダスのスーパースターの購入を懇願すると・・・
「バスケットボールでの道具っていうのは、シューズ位しかないからな。良いものを使いなさい。道具のせいで強くなれない、なんて言われたくないからな・・・」
意外とあっさりと OK され、その日の夜は嬉しくて眠れませんでした!そして、次の日に母親に連れられていったスポーツ店でアディダスのスーパースターを試し履き!しっとりとした感触は、これまでに感じたことが無い感動でした。そして、母親に「これだ!」と決めたことを告げると、「解った」と確認した後に、母親は店員に、
「同じサイズのものはもう一足ありますか?」
「あっ、はい!」
そしていきなり 2 足を購入!父から、「喜んでいるんだし、道具は良いものを使わせろ」と言われていた母が、毎回購入に付き合うのがめんどくさくて、だったら 2 足を購入しておけば、暫くはお店に付き合わなくなって良いと判断しての購入だったそうです。
もう、購入した新しいシューズをまずは夜に帰宅した父に見せて、「ありがとう」といった時に、「これで、親の責任は果たしているからな。上手くなれない、とはいえなくなるぞ」といわれたのを覚えています。しっかり紐を通して、枕元において就寝しました・・・
それから、中学 3 年間、高校 3 年間、大学 3 年間・・・バスケットボールの選手時代は勿論、やめてからも暫く外でも「アディダススーパースター」を履いていました!
生産中止になったと聞いていたスーパースター。今、どんな形でも再度履くことができるなんて!もう私の物欲は、最高潮です!